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第20回 鉄筋にアースを

基礎の鉄筋にアースする

 地元の『ウエイクホーム』の延藤さんが、額に汗してシャベルを振るってくれている。ぼくが「アース線はどこに埋めてあるんでしたっけ」なんて聞くものだから、延藤さんが掘ってくれているのだ。簡単に見つかるつもりだったのに、なかなか出て来ない。二か所埋めたのだが、二か所目もなかなか見つからない。

 「ひとつ見つかれば見学できますからいいですよ」と言うと、「いや、ちゃんと埋めてあるんです」という。いやそこは全然疑っていないんだけど…。結局セメントを貫通させて埋めたので、基礎コンクリートの広がった縁から線が出ていてそれで見つかりにくかっただけだった。延藤さんは「写真は寄って撮ったもんだから、場所がわからんかった」と言い、「人の記憶なんてあてにならんなぁ」と額の汗をぬぐって笑った。

「ところでこれ、なんのためでしたっけ」
鉄筋にアースを
基礎鉄筋にアース
鉄筋にアースを
基礎鉄筋にアース

アースする大切さ

 そうなのだ。ぼくも時々忘れる。一体なんでアースが必要なんだったっけ。そうそうこれは「誘導電流対策」なのだ。あちこちに張り巡らされた電線から、電気が勝手にコンクリの鉄筋を通る。すると鉄が帯電してしまって電磁波過敏症の人は反応する。我が家は送電線につながっていないのだが、それでも周囲に電線はある。ぼく自身は電磁波に鈍感だが、電磁波も化学物質も予防が大事だ。なってしまってからでは後悔してもどうにもならない。そこで帯電させないように鉄筋を地面にアースしているのだ。

 もちろんコンセントにもアースをつける。電気は使っていないときでも、コンセントにつないでいれば電場は発生する。『V/m(ボルト・パー・メートル)』という単位だ。直接触れないならまだいいが、パソコンなど直接触れる装置や近い位置にあるものは電場の影響がある。これを測って防ぐ装置「エルマクリーン」もあって、ぼく自身も持っているがいかんせん面倒だ。だからコンセントのアースで直接防ぐ。海外メーカーのパソコンのプラグには三本の角がついていて、コンセントに挿すのに困惑したりするが、あの余分な一本はアースのためなのだ。それがない場合、電場を測ってみると機械からだけでなく、パソコンに置いている手を経由して体中に帯電する。測定器を頭にあてても「ピー」っと鳴るのだ。しかしアースすれば消える。ならば漏電だけでなく、帯電を防ぐためにもアースした方がいい。電源の入っていない装置でも、コンセントに挿しただけで帯電してしまうのだから。

 これを防ぐと確かに肩が軽くなる。もうひとつ違いが出るのがホコリだ。体中帯電しているのだから、顔だってテレビの裏側のようにホコリを集める。だからアースが大事なのだ。建物には二か所もアースしているから、そこにつなげばいいだけだ。それが天然住宅では標準の仕様だ。

エルマクリーンHP
http://www.binchoutan.com/denziha/eruma.html

素材工房でも扱っています
http://sozaikoubou.com/goods/seikatsu/erumakuri-nn.html
アースコンセント
アース付コンセント

照明器具はリモコンに

 一方、電磁波は配線から出てくるので配線は少ない方がいい。たとえば階段の電気など、上の階でも下の階でも点けたり消したりできるようにスイッチをつける。ということは上下階にも配線してあるのだ。ただ電化製品に配線するだけでなく、スイッチまでの間も配線しなければならない。そこで、階段や玄関などは人感センサー付のLED照明にした。それならスイッチまで配線する必要がない。電気屋さんの手間賃は配線の数で決まるのだから、減らせれば工賃も安くなる。しかも我が家の場合、室内の壁の多くが建て方の見える「現し(あらわし)」になっているので、配線を隠すのが大変なのだ。だから同様に室内の照明器具もリモコン付にした。

 では照明器具までの配線は? なんと前の古民家で使われていた「ガイシ(白い焼き物の突起)」で配線することにした。隠すのではなくわざと見えるようにしてみた。電磁波過敏症気味ならこれもシールドした方がいい(オプションで対応できる)が、我が家では電線のプラスマイナスを一本ずつ離して配線することにして、電磁波を減らすことにした。それはそれでデザイン的にどうなるか楽しみではある。

 オール電化は論外だが、住宅は電磁波対策を施すのが普通であってほしい。住まうことで不健康になったのでは、住まいの意味がないからだ。
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