HOME田中優の「住まいと森のコラム」 > 3/26(日) 天然住宅リフォーム内覧会@千歳烏山

第14回 上下階騒音問題

超高層マンション

考えてみれば当たり前のことだが、高層マンションを建てる場合、重さのバランスから、上の階になればなるほど厚いコンクリートは使えなくなる。一般的に高い音は防音しやすいが、低い音は消しにくい。高い音は遮蔽すれば隣まで届かないが、低い音は重量のあるもので塞がないと届いてしまう。

若くて貧乏だったころ、ほとんど隣の部屋の音が筒抜けというようなアパートに住んでいたが、それでも音としてうるさかったのは男の声だった。低い音の方が通り抜けてくるからだ。

その重量物が使えない高層マンションが建つようになると、途端に上下階の騒音問題が発生した。値段も高く、高級マンションであるというのに、音がうるさいのだ。特に子どものいる家庭は悲惨だった。防音のために何層も絨毯や遮音シートを敷き、子どもにいつも注意し続け、下の階からのクレームにおびえ続ける。しかも下の階のクレーマーが被害者で、子どもの側が加害者になるのだから、「すみません」と言い続けるしかないのだ。

防音フローリング

高層マンションは、コンクリートの重量が少なくせざるを得ないから厚さ(スラブ厚という)が少ない。だから音が伝わりやすい。しかも階数をかせぐために、空気層を採れる二重床置床(ユニットフロア)を使わずに、コンクリートに直にフローリングする場合も多い。防音フローリングにも防音性能の高い「L値」の小さいものから、ほとんど防音性能が期待できない「L値」の大きなものまである。

住んでから不幸にならないためには、どうしても知っておくべきことがたくさんあるのだ。しかし最も大きいのは上下階の人間関係だ。「気に入らない」と思ってしまえばどんな音でも許せなくなるし、その逆もある。しかし多くの場合、上下階の騒音問題が発生してから知り合うので良い経過はたどらない。

見た目で選ばない

スラブ厚を十分に採れる低層のマンションが望ましいし、ユニットフロアを標準にしておくのが望ましい。天然住宅のマンションでは、コンクリートを非常に緻密に厚く打っているうえに、ユニットフロアにしている。ハードでカバーできる範囲はきちんとしておくべきだと思う。そしてできればエコビレッジのように、建てる前から互いのコミュニティーを作っていた方がいい。

アパートを木造でするなら、上下部分をタテに同一利用者が入居する方がいい。そうすれば同じ家庭内の上下階騒音だから問題にならないからだ。公害対策課に勤めていたころ、上下階騒音の問題の担当になるのが一番イヤだった。近隣トラブル問題に巻き込まれて解決策は退去する以外になく、被害者の方がクレーマーである場合が多かったからだ。

のびのび暮らすには、高層マンションを避け、おおらかな人の多い田舎の一戸建てに住むのが一番いい。そうできない時期なら、よく学んでから物件を探してほしい。
天然住宅のエコヴィレッジ
天然住宅のエコヴィレッジ
(鉄筋コンクリート造)
屋上菜園と太陽熱温水器
屋上菜園と太陽熱温水器もあります。