長持ちがつづいていくこと
地震に強く、耐久性のある家は、日々の暮らしの安心感にもつながります。その強さと安心感が長くつづいていくことが、本当の「長持ち」だと考えます。
何度来るか分からない地震や、知らないうちに壁の中を弱らせてしまう湿気。日本ならではのリスクに向き合い、性能が長く保たれる家づくりを心がけています。
本物の木材
私たちは高温乾燥材を使わず、「低温くんえん乾燥」した木材を使います。
木材の中に精油分を残すことで、木が本来持っているねばり強さを引き出します。
また、大工の手刻み加工も取り入れ、仕口・継手の強度を上げています。
「長ほぞ込み栓」や「追掛大栓継ぎ」でねばり強く抵抗する家です。
新築時から200年かけて強度を増し、その後1,000年かけて新築時の強度へ戻っていくと言われる杉の構造材。
その本来の性能を活かすことが、長持ちをつづけることになると考えます。
壁の中を結露させない
天然住宅の壁の中には、羊毛断熱材「ウールブレス」が隙間なくつまっています。
調湿性能も兼ね備えたウールブレスは、壁の中の湿気を含むことができる断熱材です。
また、ウールブレスの外側には通気層を設け、湿気が外に逃げるように誘導しています。
大学との共同研究で壁内環境の変化を測定したところ、年間を通して壁内に結露はありませんでした。
内装に使用する自然素材も調湿性のあるものが多いため、湿気は気持ちよく移動してくれます。
固練りの基礎コンクリート
基礎コンクリートには、水セメント比50%以下の固練りコンクリートを使用しています。
水セメント比はコンクリートの耐久性に影響します。
一般的な水セメント比65%のコンクリートは50年で耐久性が低下するのに対し、50%のコンクリートは300年以上持続すると言われています。
木造部分が長持ちしても、建物を支える基礎が長持ちしなければ意味がありません。
密実なコンクリートを打つことは、長持ちをつづけるための大切な要素です。
構造は強く、バランス良く
地震力に抵抗する耐力壁の量は、建築基準法で定められている量よりも多く設置しています。
この耐力壁は地震時の負担も大きくなりますので、負担の偏りで建物がねじれてしまわないように、バランス良く配置しなければなりません。
また、耐力壁や柱の位置を1階と2階でそろえることで、効率よく地盤に力を流すことができます。暮らしのことや間取りのことと合わせて、建物の構造のことも考える。そのバランスも、大切です。