森を守ること

日本の国土の2/3は森林、そのうちの40%、つまり日本の国土の1/4は人工林です。

現在、人工林の多くは経済的価値がないとみなされ、木が密集した薄暗い森のまま放棄されています。

あるいは、一定の区画内の木を二束三文で一度に伐採され、はげ山になってしまった山も多くあります。

天然住宅では、家を建てれば建てるほど森が守られる仕組みをつくり、日本の人工林を蘇らせようとしています。

木は太陽の光を浴び、雨水を取り込んで育つ、再生産可能な循環資源です。

日本は四季のある温帯地域に属するため、品質の良い木が育ちます。
そして降水量も多いため、成長も早い。
つまり、日本は木材資源に非常に恵まれた国です。

私たちは、自然からの恵みを受けて育った日本の杉を、
一番良い無垢の状態で、大切に、かつふんだんに使いたいと考えています。

天然住宅で家を建てると、1棟あたり200本以上の杉の木を使います。
鬱蒼とした日本の人工林に光を差し込み、森を蘇らせる大きなインパクトを持っているのです。

現在主流の林業は、山に大型機械を持ち込み、木を一斉に伐採する方法をとります。
こうしてはげ山となってしまった地で、森を再生するのは簡単ではありません。

私たちは、地道に森を森として整備しながら、適期になった木を伐採する、持続可能な林業を応援しています。

天然住宅の森のパートナー「くりこま」は、大型機械を使用せず、牛や馬の力を借りて、美しい森を維持しながら木を伐りだしています。
風で運ばれてくる種で広葉樹が生えてくることも受け入れ、多種共存の、まさしく「森」の中で林業を営んでいます。

市場で出自のわからない木材を買うのではなく、持続可能な林業を営む林業者から直接木材を仕入れます。
そうすることで、卸業者が間に入ることによる流通コストを削減し、リーズナブルに安全な木材を使用することができます。
また、林業者へ適切なお金が支払われることで、持続可能な林業を営むことができるようになると考えています。

建主さまには、森に直接出向いて大黒柱を伐っていただく機会も用意しています。
家づくりの機会に、ぜひ森や林業者と直接つながってもらいたいという、私たちの想いです。