こんにちは、スタッフの井上です。
先週末、埼玉県川越市で完成見学会を開催しました。
ご家族4人が暮らす、約23坪のセミオーダー住宅。
南北に細長い土地だったため、2階からの日差しを取り入れるべく吹き抜け階段とし、南側に大きな窓をもうけました。
冬の冷え込みと夏の暑さを防ぐため、窓には断熱性の高いハニカムサーモスクリーンを設置しています。
構造材は大工による手刻み加工。
建主様が伐採した思い出の木が、柱や梁に姿を変え、家を支えています。
↑手前の梁が建主様による伐採材です。
↑正面の柱も！
去年の5月、建主様に宮城県鳴子の山で伐採体験と製材所見学をしていただきました。
樹齢50年以上の木を伐採。想像以上の迫力だったそうです。
伐採から5か月後、木材が山から街に運ばれてきました。中村棟梁の手によって、一本一本刻まれていきます。
加工場に、建主様が見学に来てくださった時の写真です。お子さん達がたくさんはしゃいでくれたのが嬉しかったなぁ。
2階は寝室と書斎、子どもスペースがあります。
将来子ども部屋を作ることを想定し、窓の位置や配線を計画しました。
ブランコやハンモックが吊るせるくらい太くて立派な梁が剥き出しになっています。
勾配天井効果で、実際の広さ以上に開放感のある空間です。
内装は、ホタテ貝を使ったオール自然素材の塗り壁。
寝室の収納。ハンガーパイプと枕棚のみ。建具なしの潔さです。目隠しはカーテンで。
KAKUDAIの陶器製洗面台＋建主様が選んだタイルを貼りました。
2階のトイレの手洗いにもかわいいタイル。
壁付のホーローキッチンの背面に無垢杉材でカウンターを造りました。
電子レンジなどの家電ほか、ゴミ箱などの収納にも。
オープンにすることで使いやすく、コストダウンにも。
リビングには常設型の物干しバーを設置。凹凸を極限までなくしたシンプルなデザインは、サンワカンパニーの「KACU」U型ーSブラック。
リビング収納も無垢杉材で造作。据え置き家具だと地震対策が必要ですが、造作だとその心配がいりません。
中は可動棚。収納する物のサイズに合わせて高さを変えられます。あえて建具は1枚減らし、オープンな部分も。
設計上むずかしい場合をのぞき、天然住宅ではすべて引き戸です。吊り式なので、床に溝がなく埃がたまる心配がありません。
節のない無垢杉の階段も、一枚一枚、大工が加工しています。
無垢材は工業製品ではないので、ひとつとして同じものはありません。表情の異なる木目が美しいです。
無駄なものは削ぎ落とし、極力シンプルに。
最初から造りこみすぎず、暮らしながら自分たちにとっての「暮らしやすい」をつくっていける、そんな余白と自由さがあるのがセミオーダー住宅の魅力です。
一方、後から変えることができない構造部分や建材には気を遣います。
日々を健やかに暮らせる環境は、それらが安全であり、安心であることによって成り立つと思うからです。
そして、この家はちゃんと森にお金がまわる家でもあります。
一般的な建売住宅に比べて5倍以上のお金が林産地に払われます。
建主様の「家を建てるという選択」が、まわりまわって森を守る活動に寄与します。
天然住宅を選んでいただけたことに改めて感謝の思いがわいてきます。
お引き渡し後もより良い関係を築かせていただけますように。
そしてお子様の成長と、経年による家の変化を見せていただけることを楽しみにしています。
いよいよ来週はお引き渡しです！
