前回のつづき
この家には吹き抜けの階段があり、2階にあがると踊り場があります。
その横には納戸。本来ならすべて収納にしたいところですが、、、
本棚を置いたところ、お子さんたちの“おこもりスペース”になりました。
「友達が遊びに来ると、ここに座り込み、お菓子を食べたりゲームで遊んでいます。もっと広い場所があるのに、子どもって狭い場所が好きですよね」
「ロフトも好きな場所ですね。積み重ねた布団めがけて、ジャンプしています。何人も列をつくって、繰り返し遊んでますよ」
「ここは息子の勉強スペースです。宿題をする時は椅子を持ってきて、即席の勉強机にしています」
話を聞きながら、ワクワクしました。
用途が決まっていないスペースは、いろんな使い方ができて楽しいなぁと。
「息子は家の中で“ノマド暮らし”をしている」
建主様の言葉が印象的でした。
設計の早田は言います。
「目的のないニュートラルな場所があると暮らしに余裕が生まれる」と。
機能がすべて決まっていると、圧迫感を抱くこともあるかもしれません。
坪数にゆとりがあれば、部屋数を増やしたり、個室を広くとりたくなるものですが、廊下や踊り場、フリースペースを設けるのもいいですね。
この家には“本棚“も至るところに置いてありました。
ついそばに座り込み、本を手に取り読み耽ってしまう。
いつのまにかそこが寛げる居場所に。
それもまた、いいものですね。
建主様がこの家でやりたいこと
建主様はこの家を、以前の家がそうだったように、「人が集う、にぎやかな家」にしたいとおっしゃいます。
誰かの「好き」や「得意」をつなげて、人と人を繋ぐ場にしたいと。
保育園のママ友を読んで、タイ料理を作る会を企画したそうです。
映画上映会もやりたいなど、忙しい日々の中でも夢は膨らみます。
こんなことも教えてくださいました。
「天然住宅を選んだのは、息子の影響が大きかった」と。
「ハウスメーカーの見学会に連れて行くと、“なんか匂いが気になる”と言われて。後からそれが、家の建材に使われる接着剤の匂いだと知りました。それがきっかけで、素敵でおしゃれな家ではなく、安心して住める家をつくりたいと思うようになったんです」
「天然住宅のお住まい見学では、中に入った途端、木の香りに包まれました。息子も安心したように、床にごろんと寝転がったんです。それが決め手でした。
それと、他の会社では建築中や完成時の家は見れても、入居後の見学は叶いませんでした。一番気になるところだったので、それが見られたのもよかったです」
話も尽きず、すっかり長居してしまいました。
そろそろお暇しようとした時、「よかったら、事務所のキッズスペースで使いませんか」とおもちゃを出してくださいました。息子さんがかつて使っていたものだそうです。
「えっ、いいんですか!?」
「どれにしようかなぁ」
真剣に選ぶ代表の田中と広報の田村。それを見守る建主様。
天然住宅は建主様の愛と優しさでできている。
3人がおもちゃをのぞきこむ姿を見て思いました。
いい時間を過ごさせていただきました。
上の写真は、上棟時のもの。
この家は、今では珍しい、大工による手刻みの木材を組んで建てました。棟梁は中村大工。
丁寧な手仕事の積み重ねが、建主様の日々の安心や、健やかな暮らしにつながっています。
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