くりこまくんえんの大場隆博さんが、臨時休校中の子ども達を連れてエコラの森を探索。「林業教室」の模様をお届けしています。
その1は「こちら」をご覧ください。
つる切り
林業教室と題したからには、山に入った時の重要な作業であるつる切りをしなければいけない。腰に下げたナタを使ってのつる切り作業!
最初は四苦八苦していたが、ナタの使い方を覚えると「何だこんな簡単に切れるのか」と面白がっている。子供は覚えが早いな。
ヤブこぎ・山あり 谷あり
昔、田中優さんがエコラの森を見て「怪獣の背中のようだね」と言っていたのを思い出した。
川渡から向山まで延々と尾根が続いている尾根は怪獣の背中と言ってもいいかもしれないアップダウンがある。
自分たちの背丈ほどあるヤブをかき分け、斜面を滑り落ち、沢を越えまた登る。なかなか体験できない。
実際、ツアーが開催されるときはもう少し道を整備したほうがいいかなとも思った。
子供たちはモンベルで買った「トレッキングポール」を持ってこなかったのを悔やんでいた。
景色!
山歩きの醍醐味はやはり景色を楽しむことでしょう。
尾根を歩くので木々の間からきれいな景色が見え、そのたびに足を止め「きれいだね、すごいね」と景色を楽しむ。
山頂はまだまだ遠い!
動物たち
写真を撮るのを忘れたのと、撮れなかったのだが、シカと遭遇した。カモシカでなくバンビのメスだった。とうとうここまで来ているのだなと思い斜面を登るのに夢中で見れなかった子供たちに教える。
いろんな動物の足跡や、糞、イノシシの泥浴びの後など見ながら進む。時間がないので説明も端折りながらの急ぎ足になる。
休憩
山頂まで後少しというところでだいぶバテてきた。休憩も3分から、5分、10分と長くなり、今日1日持つだろうと背負ってきた3リットルのトレールウォーターバックの水も飲み干した。
「どうすんだよ!」と文句を言う次男!その時「フフフ」とわざとらしい笑いをしながら長男が万が一を考えて入れてきたという1リットルの水筒をリックから出してくれた!みんなで「おまえは偉いな!」と持ち上げる。
「さぁもう少しで頂上だよ!」と子供たちの背中を押す。
山頂
朝5時起きから始まった山登り!頂上へ向かう最後のやぶこぎ!背丈ほどある笹をかき分け垂直に山頂を目指す。
13時、やっと到着!
360度のパノラマの景色にみんな感動!鳴子が一望に見え、栗駒山、神室岳、花渕山、加美町、七つ森、船形山などなど「これが見えるのなら登ったかいがあったな」と子供たちはお互いを頑張ったなとほめあっている。
記念写真を撮った後、よほどお腹が減ったと見え、座りもせずにセブン-イレブンで買ったおにぎりを食べる。「うまい!うまい!」と叫びながら食べる次男を見て「叫ばなくてもいいだろ!」と長女がドツキみんなで笑った。
しかし、数年ぶりに登った景色を見て、「360度のパノラマの景色が楽しめる山が鳴子温泉川渡にあるとは山菜採りの人以外はしらないだろうなぁ〜」と思い、ここまでを振り返り自分の子供にも体験させようと思うと大変なのだから、実際ツアーを考えるのも大変な作業になるのかなと森たびの会のメンバーを思い浮かべ、「まあなんとか考えてくれるでしょ!」と頭の中はすでに人任せ!
帰り道
登ったら降りるで、つくまでが登山である。
子供たちに帰り道の選択を聞く
1コース・山を下り川沿いに帰るコース
2コース・向山の牧草地にでて、遠回りになるが舗装道路を帰る道
3コース・来た道を帰る
子供たちは迷わず2番を選ぶ。8kmの道のりになることは内緒にしておく。
途中川渡まで6kmの看板を見つけ嘆く子供たち!
エコヴィレッジ
帰り道、途中「サスティナヴィレッジ鳴子」に立ち寄り、CHP(熱電供給)やバイオマスボイラー、地域熱供給など説明。何度も来ている場所なので釈迦に説法状態!
林業教室なのできちんと説明をする。
薪ステーション
最後に薪ステーションで製材した材を説明。
杉、松、ケヤキ、クリ、ナラ、カツラ、青森ヒバ、ヒノキなどなど建築材としての利用や薪材としての利用、端材をたくさん使った日能研の学ぶ空間の木育、教室に送る丸太椅子のこと、なぜ手刻みでの家造りに取り組んでいるのかなど、今取り組んでいることを説明する。
しかし、一番興味を持ったのは、先日製材した赤欅が色がきれいなのと、木口を吹いて空気が入っていくのが楽しいとのことだった。
最後に咲き始めた菜の花畑を見て林業教室は終了!
1日の感想を聞いてみる。
開口一番!「体が痛い!」なまっていた体で急な運動をしたので全身筋肉痛だと大声で言われる。
そうではなく林業教室の感想はと再度聞くと
長女は「結構勉強になった」
長男は「景色が綺麗だったね。苦労して登ったかいがあったね」
次男は「つかれてよく覚えていない」
と3人共違う感想!
「今日一番勉強したのはお父さんでした。ありがとうございました」と締めくくりの挨拶をしました。
コロナウィルスによる外出自粛要請がなかったら実現しないイベントでした。
(おわり)
【おまけ】大場さんも登場している、ショートムービー「森を守る編」もぜひご覧ください。天然住宅がめざしているのは、家を建てれば建てるほど、林産地にお金がまわる「森を守れる家づくり」です。長期的に森を守れる林業を、くりこまくんえんと共に進めています。