私たちにとっての大切なパートナー、くりこまくんえんの大場隆博さんのFacebookに、ある日「林業教室」という投稿を見つけました。
休校措置で、家で暇をしている3人の子ども達を「エコラの森」に連れて行き、山の中を探索しながら林業についてレクチャーしたことが、写真とともに紹介されていました。
エコラの森は、私たちが年に2回、植林・間伐・伐採体験で足を運んでいる馴染みのある山です。宮城県大崎市鳴子温泉郷の近くにあり、その広さは約260ヘクタールと広大です。
約20年前にリゾート会社が開発に失敗し、乱伐され、放置された悲しい過去を持っているのですが、現在は大場さんが理事長をつとめる「NPO法人しんりん」が管理しています。
大場さんの発信から、まだ見たことがなかったエコラの一面を見れたり、改めてこんな山なんだなぁと思いを馳せることができました。
大場さんにご了承いただいたので、このブログでもご紹介させていただきます。
ぜひ、ご覧ください!
この森は?
▲大場家の子ども達。それぞれの名前には、森や林、樹木の名前が入っています。さすが!
久しぶりの休日。
コロナウィルスの感染拡大を防ぐための外出自粛要請なので家でゴロゴロしていたいと思ったのですが、1ケ月家に閉じこもりっぱなしの子供たちはストレスも溜まっていたのか先週から長男と次男が山に行きたいと言いだしていた。
彼らが想像している山は泉ヶ岳や栗駒山などで、まだ雪があるし、他の登山客と接しては意味がない!
どうしたらいいかなと考えたら、「最高のいい山があるではないか!」と思いつき、「出かけるぞ!」と自宅からいざ鳴子へ!
行く途中車の中で、「今日はエコラの森を堪能しましょう。ついでに林業教室ですね」「山登りという限り目標は頂上です」と目標を決め概要を説明する。
即席の山登り&林業教室の開催!!
森の入口に立ち、なぜこの森が「エコラの森」となったのか、「宮城セブンの森」になったのか「私学の森」になったのか、日能研との取り組み、セブン-イレブン記念財団との取り組みの説明をする。
先日、「鳴子温泉森たびの会」からも、この森をもっと楽しむツアーのプログラムを作りたいと要請が来ていたので、それの下見にもいいなと思いつつ子供たちをお客さんに見立てて練習!
伐採ツアーの木
まず入り口においてある丸太の説明。
「この丸太は山形県の〇〇さんの家に使われる丸太で、大黒柱と梁材、これは垂木、これは母屋」と用途を教える。
「こっちの木は天然住宅さんのお客さんで」と、どのような施主さんなのか、どうやって伐採したのかなど説明をする。
「この丸太に書いてある名前を追って、くりこまくんえんで製材して工務店に持っていくんだよ」とトレーサビリティーの仕組みを教える。
「施主が伐採した1本の木は上から下まですべて使ってもらうんだよ」など説明!
おっと ここの説明だけで時間が過ぎていってしまってることに気づき、途中で説明を切り上げ森へ!
いざ、森へ!
入り口から、リゾート開発の際に作ったと言われている私道を通り、森の中へ。セブン-イレブンの皆さんや地元の人と植林した森を見ながら進んでいく、おたまじゃくしの大群を見つけ喜ぶ子供たち!地元の人から聞いた森の歴史を話しながら奥へ進んでいく。
保安林
保安林の勉強!いろんな保安林があることを説明。なぜそのような保安林があるのか、なぜ必要なのかを教える。
やってみると結構話すことがあるなと思う。
こけしの森プロジェクト
昨年、地元の櫻井こけし店さんとセブン-イレブンさんとで取り組んだ「こけしの森プロジェクト」のお話をする。
こけしの材料のミズキの植林の他に、昨年より、間伐の際に出てくるミズキやサクラなどの広葉樹も、こけしの材料として地元のこけし店さんに納品していることなども説明!
やっぱり説明に時間がかかりすぎてしまうな。
こけしの森プロジェクトの背景は こちら>>
約200名が参加!植林祭の開催レポートは こちら>>
募金箱と家具
中間土場に積んである丸太の説明。
「ここに積んでいる丸太は建築に使う丸太を取った後の丸太で、くりこまくんえんにて製材して、サスティナライフ森の家で加工し、ワイス・ワイスで販売している【KURIKOMA】の椅子と、サスティナライフ森の家で販売している【NARUCO】の椅子になり、さらにセブン-イレブンのレジの脇にある募金箱になっています」と説明。無駄なく木材が使われていることを説明。現物と並べてみることで説明がしやすい。流石に椅子は持ってこれなかった。
のむヨーグルト
続いて土場に積んである丸太の説明。
「間伐した木材は来月くりこまくんえんに収め、チップに加工し、日本製紙さんへ納品され、そこから凸版印刷にいき、セブン-イレブンののむヨーグルトの容器になるんだよ」と説明。朝に鳴子のセブン-イレブンで購入したのむヨーグルトをみんなで飲む。
裏面には「セブンの森から伐採した間伐材を一部原材料とする紙を使用」と書かれてある。この丸太がこのパックの紙になっているのだ。
「どうやったらこの木がこの容器になるの?」との質問に、ウ!こたえられない!ここは詳しく説明できなかったので、「森たびの会」でツアーを組む際までにセブン-イレブン記念財団にもっと詳しく聞いておかなければと思った。
森で学ぶ 間伐した森、しない森
中間土場から橋を渡り、森の峰へと進んでいく。途中、間伐した森や日能研と一緒に取り組んでいる「森で学ぶ」などの環境教育について話す。手入れをした森とそうでない森、土砂崩れの跡を見てなぜ起きるのかなど説明。
雑木林
杉林を抜け、更に山を登ると雑木林が広がっている。結構太い木が点在している。「これがナラだよ!オオヤマザクラ!ミズメザクラ!ブナ、ケヤキ、カエデだよ」など名前を教える。
赤松の木
中腹から峰にかけ天然の赤松が生えている。植林ではなく明らかに天然だとわかる。カラ松林もあるがこれは植林しているものだ。
これらの松も松枯れがかなり進んでおり、生きているうちに伐採して使ってあげたいなと思う。赤松の木について子供たちに話す。
土塁(どるい)
山の山頂には明らかに人の手で作った土塁が延々と続いている。山の山頂に端から端まで高いところでは2m近くある。よくこんなてっぺんに作ったなぁとみんなで感心する。
以前地元の人から聞いた話だと、軍馬の育成で馬が逃げないように土塁を築いたのだとか、山火事の防火のための土塁ではないかとか聞かされていたが、本当のところは知らない。
これも調べておかなければと思う。子供たちも頂きに万里の長城のように続く土塁を見て「すごいすごい」と喜んでいる。
この万里の長城の反対側は県有林だ。境界がわかりやすい。
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