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くりこま森便り|サスティナヴィレッジ鳴子

こんにちは、広報の井上です。
 
天然住宅が設立したのは2008年の3月。その約4ヶ月後、「天然住宅バンク」という金融の仕組みを持つ団体も発足しました。
 
天然住宅バンクは、市民の皆さんによる出資金をもとに、天然住宅を建てる方や森を守る活動を行う団体に対し、融資という形でサポートしています。
 
ある時は住宅ローンのつなぎ融資として、ある時はペレットストーブなどの自然エネルギーの導入に対し、またある時はリフォーム費用や建築費用として、多くの方にご利用いただいてきました。(融資累計額は、2019年1月時点で1億4,000万円にものぼります)
 
2019年2月には、このような「市民による市民のためのバンク」としては日本でもっとも古株にあたる「未来バンク事業組合」と統合し、(新)未来バンクとして活動を再スタートさせました(代表は田中優です。ちなみに私も理事をしています)。
 
その未来バンクで、先日宮城県の「サスティナライフ森の家」(以下、サスティナ)に融資を行いました。サスティナは、天然住宅で使用する木材の手刻み加工を担っていただいている大切なパートナーです。
 
今回の融資は、サスティナが宮城県大崎市に建築した賃貸アパート「サスティナヴィレッジ鳴子」で取り組んでいる、あるプロジェクトに対するもの。
田中優もコラムで書いていますが、国内でも例を見ない、先進的な取り組みなんです。
 
融資後、サスティナ代表の大場江美さんに、プロジェクトの紹介レポートをお送りいただきました。未来バンクの組合員の方々に宛てたものですが、こちらでも紹介させていただきます!
 
林業や家づくりを通して「持続可能な社会を実現する」を実践している人たちのことを、もっと多くの方に知っていただけたら嬉しいです。
 

「いま」できることから、持続可能な「未来」へと!


「株式会社 サスティナライフ森の家」は、国産材・くんえん加工した地域スギ材を使用し、大工の手刻みによる木組み、地域の自然素材を活かした家づくりをしている住宅会社です。
 
木材はもちろん、家づくりの素材、それぞれの安全性、トレーサビリティにも配慮。日々の暮らしの中で五感を育むような、本物の自然素材にあふれた空間をご提案しています。
 
今回ご融資いただきましたのが、持続可能な循環型・脱酸素型の地域協働プロジェクトに対するもので、その第1弾が「サスティナヴィレッジ鳴子」です。

サスティナヴィレッジ鳴子は、地元産スギ材と自然素材を使用し、板倉構法で建築したメゾネットタイプの賃貸アパートです。エコラの森を一望できる敷地に建っています。

各住戸の給湯や冷暖房は、同敷地内に建設したCHP(小型木質バイオマスガス化熱電併給ユニット)プラントから供給しています。

森林資源の循環から生まれる木質バイオマスをエネルギー源としており、住む人たちのサスティナブルな生活を支えます。

さらにCHPでは地元で間伐されたスギ材をチップのまま燃料として使用するので、過疎化地域の木材資源の有効活用にもつながります。

奇しくも世の中は新型コロナウィルスの影響を、あらゆる場面で被ることとなりました。そしてこれからの未来は、この決してありがたくないモノとも共存していかねばならず、「サスティナヴィレッジ」の取り組みは、その未来の暮らし方にも対応可能だと考えています。
 
多くの会社がリモートワークを導入することとなり、今後は住む場所や通勤の利便性を最重要としなくても、好きな場所に住み、好きなライフスタイルを選ぶことも可能となることでしょう。
 
豊かな森を守り、木を育て、風土や日々の営みを紡ぐこと。それが日本の森林をはじめとする自然環境を未来へとつなげることとなり、自然と共生する持続可能で豊かな暮らしへとつながります。
個々の暮らしが、ひいては持続可能な社会、コミュニティの実現へと。
サスティナヴィレッジでの取り組みが、そのはじめの一歩となれると確信しています。

※エコラの森とは・・宮城県大崎市鳴子温泉の川渡温泉地区にある260ヘクタールの荒廃した森林。この「エコラの森」を中心に、持続可能なハイブリッド林業を行いながら、森林資源を有効活用する社会システムを作り、森林を育てる人材を育成し、森林を元気にする活動を行っているのが「NPO法人しんりん」です。


 

参考記事
田中優コラム >> 「急がば回れ」の温暖化対策

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