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「急がば回れ」の温暖化対策|田中優コラム#157

「また温暖化防止の話か」と思った人もいるかもしれない。だけど全然違う観点からの話なのでお許し願いたい。普通ならここで「発電」の話をするのが普通だろうが、ここで話したいのは農業の話なのだ。
 
というのはフランス政府が打ち出した「4パーミルイニシアチブ」(4パーミルは0.4パーセントのこと)、地球温暖化防止のために毎年4パーミルだけ多くの炭素分を農地に入れようという提言だ。それだけで今世界で排出している二酸化炭素の75%を土に貯蔵できるという話だ。

このことをこの数か月、ずっと考えていた。どうしたら、どの程度の影響を与えられるのかと。その時にふと「くりこまくんえん」の大場さんのやっているエコアパートのことを思い出した。思いっきり無塗装・無添加の低温乾燥材を使ったアパートを建て、しかもそこでは有り余る木材を使ってお湯を作って暖房し、さらに冷房もし、ついでに発電して地域の会社に電気を売電するという代物だ。すごいものを日本初で導入し、完全に温暖化にも環境に対する負荷もかけない仕組みである。


「それはすごい」と思うのだが、この発電兼用の温水器、タールが出るのをどう処理するんだったっけと思い出してみた。木材を燃やすというと、灰が出てタールが出て燃えるところだが、確か大場さん、木材を熱して可燃性のガスを出し、そのガスを燃やして発電などをするので、タールの心配はないと言ってたような。

そう、木材を高温に熱すると可燃性のガスが出る。このガスだけ集めて燃やせば主たる可燃性ガスは水素になり、炭素を燃やさない仕組みになるはず、と思ったのだ。そこで大場さんにメールして確認した。

「炭はどう使うの?」と。

完全に木材を燃やしてしまえば二酸化炭素になってしまうが、可燃性ガスだけ取り出して燃やすのであれば二酸化炭素にならずに不完全燃焼の「炭」になるはずだと。

果たして大場さんの答えは「イヤシロチ(炭素を土地に埋設することで地磁場の電位を整える方法)に使おうかと考えている」とのこと、だけどぼくにはこの「イヤシロチ」という方法にはエビデンス(化学的な根拠)が乏しいように思っている。「気持ちいいでしょ」と言われればそうかなと思う程度ではないかと。

そこでこれを「エコラの森(私たちが世話の手伝いをしている260ヘクタールの森)」の土地に埋設して、炭素貯蔵に役立てると共に土地を改善してはどうかと提案した。大場さんは「それはいいですね、ばっちりじゃないですか」と答えてくれた。2週間に1回、約2キロの木炭が取れるらしい。これは炭素計算で、二酸化炭素ならその約3.67倍だ。大きな影響になりそうだ。
 

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