季刊誌「暮らしのわっか」Vol.2より
最初は消極的だった犬との暮らし
天然住宅の現場監督として、これまで何十棟もの家づくりに携わってきた濱中が自邸を建てたのは二年前。
無垢杉をはじめ、楓や山桜、栗など、多様な掛種が使われた空間は、まるで森の中にいるような爽やかな空気に包まれています。
暮らしはじめて一年が経つ頃、新しい家族を迎えました。ゴールデンレトリバーとイングリッシュコッカースパニエルのミックス犬「オーロ」です。
「犬を飼いたがっていたのは妻と子ども達で、僕はむしろ消極的でした。犬は好きだけど、きれいな家があっという間に傷だらけになるのが目に見えていたので…」(濱中)
無垢材は合板フローリングに比べて柔らかく足触りがいい反面、傷がつきやすい特徴があります。そのデメリットを経験上よく知っていたからこそ、簡単に賛同できなかったのかもしれません。
それでも最後は子ども達の熱意に負けたそうです。
実際、迎えてみてどうだったのでしょうか?
「最初は傷がひとつできるたびにショックを受けていました。だけどだんだんと慣れてきて。一種の諦めかもしれませんが、無垢材は経年により味わい深く変化するので、傷も一緒に馴染んでくれたらいいなと思えるようになりました」(濱中)
一方、奥様は愛犬との暮らしを存分に楽しんでいる様子。
「子どもがひとり増えたみたいな感覚です。犬中心の生活で早起きになりました。子ども達も積極的に世話をしてくれるし、犬を通じて家族の団結力も高まった気がします」(奥様)
当初は消極的だった濱中も、オーロとの暮らしがだんだんとかけがえのないものになってきたそうです。
「子ども達がオーロと戯れるのを眺めるのが好きなんです。それと深夜にリビングで二人きりになると、いろんなことを話すんですよ。話を聞いてくれている気がして癒されるんですよね」(濱中)
動物と自然素材住宅
濱中の家づくりは、犬の飼育を前提に進めたわけではありませんでした。
「今のところ不便なく暮らしていますが、はじめから飼うことが分かっていたら、特にトイレと遊び場の位置はしっかり検討していたと思います」(濱中)
現在はリビングの一角にゲージを置き、来客や就寝時だけそこで過ごします。ご飯はダイニングの一角にスペースを設け、トイレはランドリーに。階段は自由に上り下りしています。
オーロの成長とともに、これから変化していくかもしれません。
天然住宅の家は、化学接着剤も自然由来のものを選ぶなど素材にこだわった家づくりをしています。
人間が健やかでいられる空間は、きっと動物にもやさしい。のびのびと過ごすオーロの成長と、住まいの経年変化が楽しみです。
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