築10年を迎えた横浜市青葉区に暮らす、建主N様の家を訪問しました。
10年経った今でもご主人は、「この家に帰ってくるとほっとする」「天然住宅を建ててよかった」そんな言葉をよく口にするそうです。
もともと天然住宅を見つけたのは奥様でした。
たまたま訪れた自然食レストランで、天然住宅のパンフレットを手に取ったのがきっかけだそう。
助産院での出産を機に、考え方が自然とオーガニックなものにシフトしていき、家づくりにおいても“かぞくを覆うものを大切にしたい”という考えから天然住宅を選んだといいます。
「自然素材だからこそ手入れが必要な部分もありますが、とにかく空気がきれいで淀みがなく、10年経っても深呼吸がしたくなる家」 そう話す奥様。
特に漆喰の塗り壁がお気に入りなんだそうです!
奥様は2年前、自宅の一室をリフォームし、長年の夢だった「沖縄の作家さんの器や雑貨を扱うセレクトショップ」を開きました。
https://www.instagram.com/saion3535/
単に器を売ることが目的ではなく、沖縄の豊かな文化をひとりでも多くの人に伝えたい、お店を通して沖縄のことに関心を持ち、知って、考える、多くの人の中にそんな循環をつくっていきたいという熱い想いを持ってらっしゃいます。
「伝えたいことは色々あるけれど、今は誰かの生活のワンシーンに沖縄を感じる瞬間をつくることを大事にしています」
そんな言葉が印象的でした。
N様の家には二匹の猫がいます。家づくりの計画時は飼う予定はありませんでしたが、縁あって一緒に暮らすように。
室内で猫や犬を飼うと、どうしても爪痕が気になりますね。
杉の木は柔らかく、傷がつきやすい素材です。
しかしこれは、動物にとってとてもいいことなんです。
一般的に床材は合板フローリングが使われますが、表面が硬くツルツルしているため、爪を引っ掛けられず、歩行の際、足腰に負担がかかってしまいます。その状態が続けば、椎間板ヘルニアなどを発症するケースもあるそうです。いっぽう無垢の床はしっかりと爪が引っ掛けられるので足腰への負担は小さくなります。無垢の家は、人間だけでなく、動物にもやさしい家なんです。
爪痕は近づいて見るとそれなりに目立ちますが、木そのものの色も変わってくるので全体的に馴染んだ印象でした。
天井や建具を見ても、艶が増していて、新築時よりも美しく感じるほど。劣化するのではなく、味わいと感じられるのは自然素材住宅だからこそではないでしょうか。
10年という年月を経てもなお、家にいると「ほっとする」「空気がきれい」そんなお言葉をいただけたのはとても光栄なことでした。
次の5年、また10年・・ゆっくりと育っていくだろう家の変化を、また拝見するのが楽しみです。
N様、ありがとうございました。
またお伺いさせていただきます!