こんにちは、スタッフの増本です。
コンポスト生活を初めて1年半と少し経ちました。これまでの課題を解消すべく、コンポストをDIYすることにしました。
DIYしたのはキエーロ
前回の記事、「コンポスト生活、1年経ちました。」でもお伝えしましたが、土中式コンポストをしばらく使ってみて、健全な堆肥をつくるうえでの限界を感じました。
蓋を閉じる形式のコンポストだと、どうしても内部を発酵させるのが難しく、腐敗しやすいです。その問題点を解消するように松本信夫さんが考案したコンポストがキエーロです。
風と太陽の熱を取り込むことのできるように考えられた構造になっています。
一般的なプラスチック製の土中式コンポストは臭いものには蓋をしようという発想でつくられていますが、キエーロは内部が健全に発酵され、そもそも臭くならないように考えられています。
そして、木で作ることができるので、建築現場で出てしまう残材、廃材を活用することができます。
キエーロは堆肥が不要な方でも、庭がない人でも使えます
キエーロは比較的多くの方に対応するコンポストです。
堆肥が不要な方も、半永久的に生ゴミを投入し続けることができます。微量のミネラル分、肥料分などが残りますが、土中の微生物によって生ゴミは殆どが水と二酸化炭素に分解され、1年間毎日生ゴミを投入し続けても、気づかない程度しか嵩が増えないようです。
堆肥が必要な方は、キエーロを一定期間使用してたまった土を取り出して寝かせれば使えます。
ただし、キエーロでつくった堆肥だけだと、繊維分が不足するので、私は別途つくった落ち葉堆肥と混ぜ合わせる予定です。
マンションにお住まいの場合など地面に直接設置できない方は、底を張ったキエーロをつくれば使えます。
悪臭が発生しづらいので虫が発生しづらいですし、ランニングコストがほとんどかからない点も優れています。
キエーロの使い方などはキエーロ葉山のWebサイトを参考にしてください。
設計図を描く
DIY初心者なりに、迷いながら設計図(絵)を描いてみました。
大事にしたことは下記の2つです。
- キエーロの構造の肝となる片流れ屋根と、風を通すための隙間をしっかり確保しました。
- 寒い冬にもある程度熱を持って発酵しやすくなるように、材の厚みも持たせて断熱性を確保しました。
私は欲張って3段にしましたが、2段で十分だと思います。3段にすると重いですし、内部に光が若干届きづらくなります。
いよいよDIY開始
私の描いた絵に沿って、大工さんが余った間柱から材料を用意してくれました。廃棄する建築廃材ではなく、他の現場でも使える残材です。材料をもらってみて、ちょっと贅沢すぎるコンポストになってしまった気がしました…
まるで家具です。
長く持たせるための工夫1 炙る
外部で使うので、朽ちづらいように炙って、表面を炭化してみました。
これにより、腐朽菌が木材内部に入り込みづらくなります。
土に接しやすい下部は特に念入りに炙りました。
長く持たせるための工夫2 石の上に置く
いよいよ庭に設置します。やはり朽ちづらくなるように、地面に直接置かず、石の上に置いてみることにしました。簡易的な石場建てですね。
我が家は、私達家族よりも先に、菌ちゃんが天然住宅の家に住み始めることになりました。
羨ましい…
つくってみて感じたこと
家にある食材からレシピを考えて料理をつくるように、廃材を集めて、設計を考えられると良いですね。とはいえ、まずは形にできたことは重要な一歩かと思います。
皆様からのご要望が多数あれば、建築廃材から一緒にコンポストをつくるワークショップもやってみたいと考えています。
自宅を天然住宅で建てるのはちょっぴりハードルが高くても、菌ちゃんの家を天然住宅の材料で建てるハードルは高くないですよ。建築現場の廃材を減らしながら、家庭から出るゴミも減らす取り組みを、ぜひ皆様と出来ればと思います。