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【家づくりの豆知識】狭小地でも快適に!3階建ての間取り&仕様のポイント


こんにちは、スタッフの井上です。

現在、国立市で3階建ての木造住宅を建築中です。
先日現場を訪れた際、いつもとは違う仕様が見られました。

 
実は、3階建ての家づくりには、1〜2階建てとは異なる工夫や配慮が必要になります。

そこで今回のブログでは、3階建て住宅の仕様や間取りのポイントをご紹介します!

3階建てはどこにでも建てられるわけではない


まず、3階建ての住宅はどの土地でも建てられるわけではありません。

地域によっては、建ぺい率や容積率の条件に加え、建物の高さ制限がある場合があります。

そのため、建築可能かどうかを確認するには「用途地域」を調べる必要があります。

例えば、「第一種低層住居専用地域」では高さ制限が厳しく、3階建ての建築は難しくなります。

一方、「第一種中高層住居専用地域」では高さ制限が緩くなるため、建築が可能になるケースが多くなります。

建築制限とコストへの影響


3階建てが建築可能なエリアでも、建築基準法による制限があります。

火災時の延焼を抑えるため、「準耐火建築物」またはそれに準ずる性能を持つ建築物にする必要があり、2階建てとは異なる仕様が求められます。

例えば「準耐火建築物」にする場合、

・壁や天井は木材を露出させず、柱や梁も含めて強化石膏ボード(厚み15mm)で覆う
→通常は厚み9.5mmや12.5mmの石膏ボード

・無垢杉の床材は、標準の厚み15mmから30mmに変更

・内装の仕上げは漆喰の塗り壁が基本(天然住宅の場合)


このような仕様の違いにより、建築コストが上がる点も考慮が必要です。

また、木が好きな方にとって、木部が見えなくなるのは残念なことかもしれません。

 
しかし、床や家具、建具には木を使用できますし、壁で隠れてしまう部分にもたくさんの無垢材を使いますので、調湿効果は十分に感じていただけますのでご安心を!

 

構造計算が必要です


3階建ての設計では「許容応力度計算による構造計算」が必須です。

許容応力度計算とは、地震や風、建物の重量に耐えるために、部材にかかる力をひとつひとつ詳細に計算し、建物の安全性を確認するものです。

この計算書は600ページ以上に及ぶこともあり、設計費用も通常より高くなります。

3階建ての間取りのポイント


ここからは、間取りを考える際の留意点をご紹介します。
 

リビングの配置、駐車場の有無


設計部の小野寺によると、間取りを検討する際、

・家族が集まるリビング(優先順位の高い場所)をどこに配置するか
・駐車場の有無 がポイントになるとのこと。

3階建てでは、駐車スペースを確保するためにビルドインガレージを採用することが多いです。
間取りに大きく影響するため、将来的な車の所有も考慮しましょう。
 

水回りの配置


3階建ての場合、水回り(浴室・洗面室)を1階に配置することが多いです。
その場合のメリットは、

・配管が短くなることでコストを抑えられ、2階の空間を広く使える
・高齢になった際に1階で生活が完結できる

などがあります。
もちろん、個々の事情、生活スタイルによっても最適解は変わります。
 

トイレの配置


トイレは2つ以上設置すると便利です。 今回の住まいでは、

・1階(風呂・洗面と同じフロア)
・2階(リビングと同じフロア) に配置しました。
 

個室の数と配置


個室の数や配置は、家族構成やライフスタイルによります。 今回のお住まいでは、

・1階:奥様の仕事スペース
・3階:寝室、書斎、子ども部屋、ウォークインクローゼット としました。

特に1階は採光が期待できないため、水回りや収納スペースとして活用することが多いです。
 

3階建ての外壁


外壁材の選択も重要です。

軒を出せない場合があるため、メンテナンスを考えると「ガルバリウム鋼板」がおすすめです

天然住宅の標準仕様「そとん壁(塗り壁)」も可能です。ただし、3階建ての場合は外壁の内側に石膏ボードが必要となり、コストが増加します。

3階建てのメリット


制限が多いように感じるかもしれませんが、3階建てには多くのメリットがあります。
 

① 限られた敷地でも十分な居住スペースを確保できる

② 風通しが良く、湿気がこもりにくい
→ 高さがあるため、風が抜けやすい

③ 日当たりの悪い立地でも、上層階で採光を確保しやすい
→ 2階・3階をリビングにすることで、明るい住空間を実現

④ 各フロアで用途を分けられ、プライバシーを確保しやすい
 
⑤ 家族構成の変化に柔軟に対応しやすい
→ お子様が成長した際に、各階を独立した空間として活用可能
→ 親と同居する場合でも、フロアを分けることで適度な距離感を保てる
→ 将来的に一部を賃貸や二世帯住宅として活用できる可能性がある

⑥ 1階をガレージや倉庫、店舗として活用できる可能性がある


他にも、限られた敷地でも居住スペースを確保できることから、土地代を抑えることができたり、眺望の良さが期待できる、浸水地域の水害対策になるといったことが挙げられます。
 
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ここまで一般的な話を色々書いてしまいましたが、最適な家づくりは住む方によっても変わってきますので、3階建ての家づくりをご検討中の方は、個別でお問い合わせください。

天然住宅では、プランのご提案、概算見積もりのご提出まで、無料で行なっております。土地探し、資金計画、現地調査も行っておりますので、お気軽にお声掛けください!

3階建ての家を体感できる!完成見学会のお知らせ


今回ご紹介した3階建て住宅のポイントを、実際の建物でご覧いただけます。

3月22日(土)、東京都国立市で完成見学会を開催します!

詳細は後日お知らせしますので、お楽しみに。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

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