![【視察報告】能登ひばの活用、フルタニランバーの取り組み](https://tennen.org/cms/wp-content/uploads/2024/04/439043468_913702084016229_2824416948702791026_n-1420x1065.jpeg)
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気が付けば、もうすぐ11月ですね。
だんだんと肌寒い日が増えてきました。
引っ越し、建て替えの理由として、
「家が寒い!」というのは、その決断の大きな理由の一つだと思います。
見学会でもよく「温かいですか?」と率直な質問を受けることがあります。
もちろん、その質問に対する答えは「温かいです!」なのですが、もう少し補足させてください。
まず、家を温かくするために大切なことは、断熱性能です。
全体が断熱材にくるまれていることが、どんな暖房を使うかよりも大切なことです。天然住宅では、羊毛の断熱材ウールブレスを壁・床100mm、屋根200mmを充填しています。
もちろん、家を暖めるときには何かしらの熱源は必要です。
ただ、一度暖めたらその暖かさが長続きしてくれます。
断熱がしっかりしている家では、暖房の「効き」が違います。
気を付けなければいけないのは、断熱の弱点になる「窓」です。
最近新築した家であれば、窓ガラスは通常ペアガラスになっているはずです。
サッシもアルミから樹脂に移行しつつありますので、昔よりも断然、断熱性能は上がっています。
しかし、それでも壁に比べると、窓からの熱損失は大きくなります。
窓の性能がいくら上がったとしても、壁の断熱性能にはかないません。
断熱性能を上げるときに、窓を小さくするというのは、有効な方法です。
ただ、それでもやはり窓を通して明かりやぬくもりを得たり、風通しをしたり、暮らしに、窓は欠かせません。
家を暖かく保つためには、窓の断熱対策がとても大切です。
窓の断熱対策は、新築はもちろん、リフォームでも可能です。
状況やご要望によって様々な方法がありますが、いくつか「窓辺の断熱対策」を紹介します。
①単板ガラスをペアガラスに
リフォームの時の窓辺の断熱改修ではいくつか方法があります。
築20年以上の家ですと、窓ガラスが単板(1枚のガラス)なこともよくあります。その場合、サッシはそのままに「単板」を「ペアガラス」に交換することができます。
![単板ガラスをペアガラスに](https://tennen.org/cms/wp-content/uploads/2020/10/4e8042501a1dc4787eaaf1e326af6b70.png)
もちろん、断熱性能も変わりますし、ガラス面での結露もしにくくなります。
また、そのときにガラスをLOW-Eガラスにすることもできます。
※LOW-Eガラスとは、複層ガラスの室内(室外)側ガラスをLow-E金属膜でコーティング。断熱性(遮熱性)を高めたガラスのことです。
この方法は分譲マンションでも認められやすい工事です。
一般的に分譲マンションでは、窓は共有部なので、リフォームの際には原則「手を付けられない部分」に属します。
ただ、この方法は躯体への影響は少なく、断熱性能を上げられる方法なので、認められるケースがほとんどです。
②カバー工法
サッシごと新しくすることもできます。
ただ、家のゆがみや、サッシ品番の刷新などにより、新しいサッシをもってきて、既存の窓枠(レール)と組み合わせる、ということはほぼ不可能です。
また、既存の窓枠は構造とほぼ一体になっているので、取り外すのはリスクがありますし、影響する周りの改修も増えていきます。(雨じまい、外壁補修、室内の仕上げなど)
そこで、既存の窓枠は外さずに、上から新たな窓枠(レール)を設置し、サッシも新たにする「カバー工法」を採用することもあります。
新しいサッシを樹脂製にすれば、断熱性能は高まりますし、昔のサッシに比べ、気密性が高いので、より断熱効果を高めることができます。
ただ、この方法は比較的費用がかかりますので、ご自宅の状況を鑑み、他の方法とも比較しながら検討されるとよいと思います。
③内窓を設置する
既存の窓の内側にもう一つ内窓を設置する方法があります。
この方法は工事も比較的やりやすく、費用も抑えられるうえに断熱効果も高く、
結露もしにくくなりますので、おすすめです。
既存の窓の内側に樹脂窓を設置するプラマードU(YKKap)やインプラス(LIXIL)などがそれにあたります。
天然住宅でも上記のような建材を施工することもありますが、より断熱効果があるのは、無垢材で内窓をつくる方法です。この方法はリフォームだけでなく新築時にもおすすめしています。
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樹脂サッシの熱伝導率はアルミの1/1000、無垢杉の熱伝導率は1/1800です。
どちらにしてもかなり効果はありますが、より熱を屋外から室内に伝えにくいのは、無垢杉による内窓です。
また、木製内窓の良さはなにより窓辺の雰囲気が良くなることですね。
木製サッシの窓辺は見た目にも温かみがあります。
④ハニカムサーモスクリーン
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断熱性能の高いブラインドを取り付けることで、保温性を高めることができます。ハニカムサーモスクリーンは、断面がハチの巣のような形状になっていて、空気層(=断熱層)を内包しています。
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見た目もニュートラルで、障子のようにも見えるので、和風、洋風どちらの内装にも合います。窓の木枠に断熱レールを取り付けることもできます。隙間がなくなり、断熱効果をより高めることができます。また、ハニカムサーモスクリーンの素材はポリプロピレン製です。素材としても安全なものなのでおすすめできます。
⑤自然栽培綿のカーテン
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自然栽培綿のカーテンをおすすめすることもあります。
カーテンは床につく長さにしてあげれば窓辺の冷気を止めてくれます。
一般的にカーテンには防炎、防汚、抗菌などたくさんの薬品が使われます。
きなりの部屋の自然栽培綿のカーテンは、そのような薬品は一切使っていません。農薬も使わない畑で手摘みした綿を使用しています。また、生産者の生活も保障しながら作っているフェアトレードの製品です。
自然素材なので、静電気を発生させないので、ほこりなどが付きにくく、長く使えます。周りの自然素材との相性も良いです。
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以上のように、窓辺の断熱対策には、色々な方法があります。
上記を組み合わせて採用することでより効果を上げることもできます。
窓辺の断熱性能が上がれば、暖房や冷房の効きが良くなり、
省エネにもつながります。環境面でも、経済面でもメリットがあります。
また何よりも、夏も冬も快適な室内環境につながることですので、ぜひ、検討してみてはいかがでしょうか。
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