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くりこま2019春|森を育てながら伐る林業

「はげ山」を健やかな森に戻すのは大変だ

今回のくりこまイベントでも植林と皮むき間伐をしました。

天然住宅の森のパートナー、NPOしんりんが買い取った260haの敷地には健やかな森と、討伐され、「はげ山」になってしまっている場所があります。

今回も皮むき間伐は健やかな森の中で、植林は討伐され「はげ山」になっている場所で行いました。

同じ日に、同じように沢沿いの斜面でそれぞれの作業を行いましたが、それぞれの環境の違いに驚きます。

皮むき間伐の作業をした森は健やかな森の中です。

建築材としての利用に適さない木を見極めて間引き、建築材として育て続ける木をより元気にするための作業です。沢沿いの斜面でしたが、足元がぬかるんで困ることはありませんでした。

健やかな森の中では、降った雨が、地中に深く伸びた木の根っこや、微生物の活動によってふかふかになった土の間隙を通って、地中に浸み込んでいきます。大雨が降っても地中に雨が染み込むので、斜面を流れ落ちる水や、沢の流れも穏やかです。

一方で、「はげ山」となっている斜面では、健やかな森に戻すために植林をしましたが、数日前に降った雨がところどころ、足元に溜まってぬかるんでいて、苗木を植えるのも一苦労。苗木が水に浸かって腐らないように植える場所も選びながらの作業となります。

「はげ山」では木の根っこが地中深くに張っていませんし、土が露出し、微生物が乾燥や直射日光に晒されて生きづらい環境なので土がふかふかにならず、雨が地中になかなか染み込みません。

雨が降ると地中に染み込むよりも地表を流れてしまう割合が高いでしょう。

このような環境では杉を育てて健やかな森に戻すのは大変ですし、それまでの間に大雨が降ると、土砂崩れが起きるリスクも高くなります。土砂崩れが起きてしまうとまた「はげ山」からの再スタートとなってしまいます。

この植林活動はもう何年も続けていますが、杉の苗木たちはなかなか思うように成長してくれていません。

苗木を植えた後、草に負けない背丈になるまでは下草苅りが重要な作業となります。

NPOしんりんでは下草苅りに牛を活用していますが、斜面は雨で土が流されたりし、地形が変形しやすいなどの理由からでしょうか特に苦戦しているように思います。

このように一度「はげ山」になってしまった場所を健やかな森に戻すのは大変だと実感した一日でした。

持続可能な林業を応援したい

現在の日本の林業では一定のエリアの木を一度に全て伐採してしまう皆伐や列状間伐が主流です。土砂崩れも起きやすくなりますし、伐採後の「はげ山」を森に戻すことは簡単ではありません。

木材としても選択して育てるという過程を経ないで伐採されるため、合板や集成材、バイオマスなど低価格での取引を前提として利用が多くなってしまいますし、高価な大型機械を使用するため高コストでもあります。

環境面だけでなく、経済面でも持続可能な方法ではありません。

森林所有者が所有している森に対してこだわりや想いを持っていないと、今敷地にあるものをとりあえず現金化してしまいたいとなってしまい、「はげ山林業」が有力な選択肢となってしまいます。

今のご時世、50年先、100年先に自分の所有林を引き継ぐ人を想像するのは簡単ではありません。

それでも50年先、100年先に想いを引き継いでくれる人へ託す意思を持って、森を育てながら伐る林業を営むくりこまを応援し続けたいと改めて思いました。

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