先日、神奈川県相模原市で、上棟を迎えました!
私が現場に着いた時、少し離れたところから建主のO様が様子を見守っていたので、並んで少し話をしました。
Oさんは、建具の取り付け仕事を50年以上やってきた方です。
藤野棟梁とは仕事場で出会い、40年の付き合いだそう。
数年前、藤野さんから応援を頼まれ、助っ人として入ったのが天然住宅の現場でした。
杉の柱や梁が剥き出しになっていたり、床だけじゃなく、天井や壁、三角の火打ち梁も。とにかく杉の木がたくさん使われているのがいいと思ったそうです。
自分もこんな風に、杉の木をふんだんに使った家に住みたい。そう思ったのが、天然住宅を建てた理由だと教えてくださいました。
Oさんはこんな話もしてくださいました。
今時ボンドもベニヤ板も使わない工務店は珍しい。そういう建築屋としてのこだわりや考え方もいいよね。
長年建築の仕事をしてきてたくさんの家を見てきたけど、こんな家づくりをしてる会社は他に見たことがないよ。
さらには、こんな話も。
天然住宅はいい家だけど、値段も高い。でもさ、この家は金額に見合った家だと思うよ。74歳で老後のこともあるし、お金の心配がないわけじゃないけど、息子に長持ちする家を残してやれたらと思っている。
なんだか泣いてしまいそうになるくらい、嬉しい言葉でした。
と同時に、これまで建った家の数は、「金額に見合った価値」を感じ、実際にお金を払ってくださった人の数でもある。その事実を改めて、思い出させていただいた気がします。
この日は久しぶりに明け方から雨が降っていたのですが、上棟時にはやんで、時折青空が見えるまで回復しました。
「大迫さんの日頃の行いのおかげだね〜」とOさんがニコニコしています。
「降るもんは仕方ないけど、やんでよかった」と、同じくニコニコ顔の藤野さん。
和やかな、いい雰囲気でした。
今回、構造材の刻みも藤野棟梁が手がけました。
間近で見るほど興奮する大工さんの手仕事。子ども達が見たら、将来は大工になりたい!って思うんじゃないかと思うほど、カッコいいんですよ。
柱や梁などに記される番付。これがあることで正しい位置に木材を組み上げることができます。人の手で書かれているのは、手刻みならでは。
現場に行くと、高い確率でいただくことが多い缶コーヒー。現場“ならでは”な感じがして大好きなのです。
Oさんが楽しみに待ってくださってる“杉の木”いっぱいのお家、皆さんもどうぞお楽しみに!