![【視察報告】能登ひばの活用、フルタニランバーの取り組み](https://tennen.org/cms/wp-content/uploads/2024/04/439043468_913702084016229_2824416948702791026_n-1420x1065.jpeg)
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こんにちは、代表の田中竜二です。
先日、日帰りで栗駒へ。天然住宅の木材を出してくれている森と栗駒木材(クリモク)の新工場に行ってきました。
くりこま高原駅で降りて、まずは森へ。
NPOしんりんが整備するエコラの森に来たのは2年ぶり?くらいです。
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懐かしいけど、変わったこともありました。
研修用のテントがあって、企業研修が行われたり、より奥の方まで植林がされ始めたりしています。
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ここはかつて「泥棒山」と呼ばれた森で、所有する260haのうちの100haくらい盗伐され、ハゲ山にされました。
そこに、大場さんたちは、たくさんの方や企業などの支援を受けて、牛や馬の力も借りながら、植林し続けています。
よーく見るとスギヒノキだけでなく、広葉樹の苗木も育っています。
ここを100年、200年の木が育つ、針広混交林にしていくつもりなのです。
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続いて、「サスティナヴィレッジ」を案内してもらいました。
サスティナヴィレッジには、板倉づくりの長屋が4棟建っています。山奥ですが、木こり、海外からの長期滞在、ワーケーションなど色々な方が住んでいるそうです。
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ここにCHPというシステムがあります。山から出る材や木のチップなどを燃料にして、熱と電気を生み出す装置です。そこからこの長屋に給湯、暖房などの熱を供給しています。電気もできるので、それは今のところ売電しています。
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また枝葉もなんでも燃やせちゃうボイラーもあります。まだそこまで実現していませんが、それが叶うと本当に山の資源を隅から隅まで使えることになります。しかも一年使って出た灰が本当に少ししかなく、燃焼の効率もとても良いものなのだそう。
このシステムはドイツ製です。導入は大変そうでしたが、運用はうまくいっているようです。それを選んだ理由として、大場さん曰く、ヨーロッパと日本では考え方が違うとのこと。日本はたくさん燃料を使い「いかに早く大量に」エネルギーを生み出すか、というやり方だが、ヨーロッパでは「少ない資源から最大の効率で」エネルギーを生み出すかという考え方なのだと。
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また、数年前にはなかった新しい研修棟ができていました。これは、鎌倉にあった日能研の木造の仮校舎を移築してきた建物なのだそうです。
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あまり知られていないところで、かなり進んだ取り組みを次々と進めていて(苦労はたくさんしているでしょうけど)、 大場さんが数年前から話していたことが本当にカタチになっています。
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最後は、新しくできた宝来工場へ向かいます。
元々あった栗駒の製材所の近くの学校の跡地を利用して新しい工場をつくったそうです。ちょうど今回行った時に、準備ができ、稼働し始めていました。
話は聞いていましたが、想像以上の規模でした。また、実践していることが、本当に「最先端」だと思いました。
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まず、建物が全て板倉工法の木造です。栗駒にあるのがこのタイプの建物ばかりで麻痺してますが、ほんとはこれだけたくさんの無垢材を使った建築はあまりないと思いますし、この規模でそれを実現しているのは稀だと思います。
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また、工場が大場さんの考える「木材のカスケード利用」を体現するかのように立ち並んでいます。
製材、くん煙処理までは、既存工場がメインですが、その後の工程は新工場で木が無駄なく使われるよう仕組みがつくられています。
木は建築材となる柱・梁に利用した後、残っている部分から家具や仕上げ、造作材にしていきます。もっと細かなものはチップになり、ペレットになり、ボイラー燃料や紙パルプになります。
また木を加工する機械にダクトが設置されていて、そのダクトがペレット工場まで繋がっています。各工程で出る木の粉まで無駄にせずペレットにしています。そこまで徹底されていることに驚きました。
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木材は丸太から四角い柱をとっても7割くらいの部分が残ります。この残りの部分を有効に使えると林業や製材業が持続可能になっていきます。
木を端から端まで活用して木製品を作り、残りを燃料として活用し、化石燃料に頼らない。
右を見ても左を見ても無垢材の建物の新工場は、日本で最も持続可能な製材工場ではないかと思います。
そして、栗駒の木材を使って建築することは間違いなく、持続可能な社会の実現につながっています!
大場さんは昔からこれをやろうとしていたのか!と、実際に見て納得させられました。言うだけでなく行動して、本当に実現しているところがすごいです。
とても刺激的な訪問でした。
さて、街側でも木材を利用することを広めなければ、と改めて決意した栗駒訪問でした。