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本末転倒な24時間換気(シックハウス・化学物質の規制について)

シックハウス


シックハウスという言葉が一般的な言葉になり、2003年7月に建築基準法に基づく、「シックハウス法」が制定されました。
それまでは全く規制のなかった化学物質の使用が初めて制限されるようになりました。
そこでは、13の化学物質がリストへ挙げられました。

しかし、使用量が制限されたのはその中の「ホルムアルデヒド」「クロルピリホス」の2種類だけでした。
あとの11物質に関しては、指針値が示されたことに留まっています。

[1]と[9]は、建築基準法の規制対象物質
[1]~[6]は、住宅性能表示で濃度を測定できる6物質

さらに、シックハウスの原因となりうる人体への影響のある有害物質は日々何百種類と生み出されており、実質的に規制するのは難しい状況に陥っています。

各住宅メーカーや大部分の工務店では、法律で定められた範囲のシックハウス‘法’対策をするだけで、「健康住宅」をうたっています。そんな中で本物の「健康住宅」を探すのは非常に困難です。国内の9割以上の住宅が、未だにシックハウス症候群を生み出す可能性を含んでいます。

建材マークF☆☆☆☆は、決して安全ではない


シックハウス法対策として、ひとつ気をつけていただきたいマークがあるのでご紹介します。それが「F☆☆☆☆」(エフ・フォー・スター)」と呼ばれるマークです。これは住宅の内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散させる建材に制限をつけたもので、有害物質の濃度が低いほど多くの星マークがつけられています。しかし注意していただきたいのは四つ星がついているからと言って安全な建材ではないということ。言うなれば、「少量ながら化学物質を含んでいる」という証なのです。有害なホルムアルデヒドが含まれない天然の無垢材は「F表示なし」です。F☆☆☆☆がついているからといって、安全安心というわけではありません。

内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建材には、次のような制限が行われます。

※1)μg(マイクログラム):100万分の1gの重さ。放散速度1μg/m2hは、建材1m2につき1時間あたり1μgの化学物質が発散されることをいいます。
※2)建築物の部分に使用して5年経過したものについては、制限なし。

☆(星)なので良いものなのだろうとの印象をいだきがちですが、実際は有毒化学物質をどれだけ含んでいるかのレベルです。

24時間換気は本末転倒


今、日本で建てられている住宅の多くが高気密・高断熱住宅です。住宅の気密性を高めることで、断熱性能を高め、その結果、省エネルギー住宅を実現しました。しかし、気密性を高めるということは、家自体を密閉空間に近い状態にすることです。もしその家に、有害化学物質が使われていたらどうなるでしょう。呼吸をする度に、濃度の高い有害物質を体の中に取り込むことになります。一日のほとんどの時間を家の中で過ごす赤ん坊やその母親、また高齢者など、抵抗力の弱い人間が直にその危険にさらされることになります。実際、住宅の高気密化が進むにつれ、シックハウス症候群を訴える人も増えています。

そこで国が定めたシックハウス法では、機械装置による24時間換気を義務づけています。しかしこの対策はもちろん、その場しのぎの解決策にしかなりません。

本来、換気があるかないかが問題なのではなく、住居内の空気の汚染が問題なのです。空気を汚しておいて、換気するから大丈夫。というのではなく、そもそも空気を汚さない家づくりをすることが、本筋だと思います。 24時間機械換気は、シックハウス対策として現状義務づけられているので、新しい建築では必ず装備していますが、シックハウスの解決には不十分です。そもそも空気を汚さないための対策をこそしなければいけません。

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