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構造材についてのこだわり

1、集成材・外材は使用しません


近所に建築現場があったら、ぜひじっくり見てみてください。
また匂いをかいでみてください。
構造材は何でしょうか?
最近は「木造住宅」とひと言でいっても色々な種類がありますが、構造材の多くが合板か集成材です。その中心となっているのは集成材の柱梁による軸組工法と、合板のパネルによる2×4(ツーバイフォー)です。
 
合板は、木材を薄くスライスしたような単板を3枚以上、奇数枚、繊維方向を直交に貼り合わせた木材です。
集成材は、1cm~2cmの厚さで挽いた板を繊維方向に平行に貼り合わせた木材です。
どちらも、造作用・化粧用・構造用など様々な用途に用いられています。
 
なぜそのような木材が市場にたくさん出回っているかというと、木材は無垢のままで使用すると、反ったり割れたりします。また、木それぞれに個性がありますので「様々な用途」に向かない場合が多いのです。
 
それなので、このように個性を抑えて、狂いのない規格品に仕立て上げられてから建材として使われています。施工性、クレームのない施工をするために、このような木材がよく採用されています。
 
しかし、私たちはこのような合板・集成材を使用することはありません。
 
合板・集成材は、ボンド(酢酸ビニル)を使用して生産されていますので、健康への影響が懸念されます。
またその耐久性についても疑問を持っています。
 
もちろん認定の取れた建材を使用していると思うので、新築時の強度には問題はないかと思います。
しかし、強度が「長もちするのか」という視点で考えたときに、ボンドは果たして長持ちするのでしょうか?
ボンドの寿命はわかりません。さらには、壁内の湿度が高くなれば、その状況はさらに悪くなるでしょう。大切な構造材にそのような木材は使用できません。
 

【左図】合板の接着剤の寿命についての実験結果です。
それぞれ、15年、3年で強度が半分に落ちるという結果が出ています。

 

2、外材は使用しません


外国産の材は国産材よりも安いということで今まで多く用いられてきました。しかし外国産材は、いくら無垢材を使用しているといっても、湿潤で四季のある日本の気候において、長期的に耐久性を発揮できるかは疑問です。
 

木材別シロアリ被害の比較

 
米松、米ツガは、土台などでよく使用されていますが、これは白アリの大好物です。
上のグラフ「木材別白アリ被害比較」では、米松、米ツガは「加害によって材の痕跡を失っている」という例が多数出ています。
私たちが土台に使用するのは、上の図でも被害が少ないとされるヒバやヒノキ材です。
また、外国産材は防腐処理を施さなければ、長期間の船旅と保管に耐えることができません。
健康的な空間を実現したい私たちの基準では採用することができないのです。
 

3、私たちは100%国産無垢材を使用します。


安全・安心で、長持ちする構造材を考えたときに、日本の気候に合い、力を発揮してくれるのは国産木材です。
 
天然住宅では、日本には最も多く存在する杉を多用します。
(杉の性能についてはこちら をご覧ください)
 
無垢材を使用した木造が長持ちすることは、法隆寺などが1300年以上建ち続けていることからも証明されています。
無垢材は200年かけて強度を高め、その後1300年かけてもとの強度に戻ると言われています。
私たちも木の力を最大限活かせるように目利きのできる大工に木材を手刻み架構してもらっています。そうすることにより、木の反り曲がりも強度になります。
接合部は伝統的な仕口・継手を多用することによって、金属を減らし、木材への負担を減らすとともに、力がかかるごとに締まっていくような架構をします。
 
建築基準法を守れば、強度の高い建築をすることはできます。ただ、それは「新築時の強さ」です。私たちは「建築時の強さが長続きするか」という視点をもって、建築に向き合っています。
 
また、構造材の安全性についても気を使います。薬剤などを使用しないでも虫に食われず、腐らないよう様々な工夫をしています。
防腐・防虫処理には薬剤を使用せず、木酢液やくんえん乾燥をおこないます。
適材適所で匂いが強く、虫が嫌う樹種を選択したり、固くて食べられない部分を使用したりしています。
虫やカビの温床となる湿気対策を行うことにより、建築後年数が経っても構造材への負担がない壁内環境をつくっています。そのことについては、大学との共同研究で実証できました。
 
木材にはそれぞれ性能があり、その力を最大限活かせるような使い方をすることにより、健康的な空間をつくることもできますし、長持ちする家を建てることもできるのです。
 

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