外部に使用する建材
私たちは自然素材や安全な素材にこだわって家づくりをしています。
そして、できるだけ国産の木材を使用しています。
外部の木材についてもそのこだわりを貫いています。
ただ、それは様々な課題とも表裏一体です。
木材は家の構造や室内に使用すると耐久性や快適性など優れた効果を発揮してくれます。
しかし、外部で無垢材を使用するときは、気を使わなければいけません。
外部に使用する素材は風雨に耐える強度はもちろんですが、
耐水性、耐湿気、そして紫外線劣化への対策が必要です。
例えば、雨樋はよい例です。
多くの住宅で使用されているものは塩化ビニル製ですが、
樹脂(プラスチック)製品は、外部では熱と光(紫外線)によって劣化してしまいます。
※樹脂は高分子化合物ですが、加熱されることにより酸素と反応し、分子結合が分解されてしまいます。
また、光エネルギーによって結合が切断されます。→参考ページ
塩化ビニルの雨どいはだんだんともろくなり、割れたり、折れたりしやすくなっていきます。
それなので、私たちは、雨樋をガルバリウム製にしています。
外壁も同じように紫外線劣化のリスクを鑑みて、
樹脂製である窯業系サイディングを使用しないようにしています。
外部では、木材も同じように紫外線による影響を受けます。
外部の木材の経年変化は、
紫外線劣化と水はけの悪さが原因になります。
それなので、無垢材でつくるデッキも、
10~20年後にはメンテナンスが必要とお伝えしています。
また、今までの経験から少しずつ仕様を変えているところもあります。
例えば、無垢の杉でデッキをつくることもありますが、
無垢のままで使用すると環境(風通しが悪かったり、水はけが悪かったり)によっては、
痛みが早い場合がありました。
もちろん、問題のないお宅もあります。
ご提案の際には、そのリスクもお話し、
加えていくつかの方法をご提案しています。
塗装
杉を使用する場合には、塗装をすることをお勧めしています。
塗装する色もポイントがあり、
薄い色よりも、濃い色の方が耐候性は高くなります。→参考ページ
塗料も身体や環境に影響の少ない、安全なものを選んで使用します。(U-oil、Livosなど)
ヒノキ
より耐水性のある樹種を使用することもあります。
杉よりも桧の方が水に強く、外部でも長くもちます。
エステックウッド
国産材のデッキ(外部)用製品で、「エステックウッド」というものがあります。
「窒素加熱処理」で加工された木材です。
窒素を加圧注入しながら木材を高温で乾燥させた木材で、
でんぷんなど内部の製油分をなくすことにより、菌やカビなどが繁殖できず、
薬剤処理をしなくても、劣化しにくいというものです。
耐湿気、耐カビ性能が高いので、ウッドデッキや木塀にはおすすめです。
普段、高温乾燥木材は、当社では構造には使用しないのですが、
外部では高温乾燥することでメリットを得ることができます。
デッキ材は、一般的には、防腐・防カビ剤を注入した木材を使用することがほとんどです。
もしくは、外材で外部に使用できるような硬い材を使用することもあります。
外部ですので、比較的身体への影響も少ないところではあるので、
そこまでこだわるべきなのかはお客様と相談しながら進めることが良いと考えています。
ただ、お客様に聞かれたら、上記のような方法をお勧めします。
手や足に触れる部分ではありますので、
できるだけ安全なものを提供できるようにしたいと考えています。