数学の贈り物|森田真生
こんにちは、スタッフの小野寺です。
ラジオで偶然知った、この本。
必ずしも数学について書かれているわけではなく、
数学を通して得た気づきや学びなど、著者である森田さんのリズムで、
心地よく書かれたエッセイです。
言葉の紡ぎ方が見事で、惚れ惚れしながら読みました。
数学のイメージは、どんなイメージでしょうか?
難しい、とっつきにくい、つまらない、などなど。
マイナスのイメージを持っている人も多いと思います。
よく聞くのが、「実生活では何の役にも立たない」という、
何の罪もない数学に向けられる冷たい言葉。
でも、実生活で役に立ったり、意味のあるものだけが価値を持つのでしょうか。
そして、数学が役に立たないと言っている人は、
数学を学ぶのを諦めた人だということも、忘れてはなりません。
数学の贈り物は、その先に、あるのです!
入口のドアを開け、なんだかわからないけど進んでみると、
数学は贈り物をくれます。
理系の僕は、昔から数学が嫌いではなく、
論理的に考えて答えを出していくという経験は、とても役に立っています。
記号を用いて物事を整理していくことも、とても役に立つことです。
そしてその先で、またいろいろな考えを巡らします。
数学的思考から導き出される、とても温かいメッセージが、
この本には詰まっていました。
読んでいると、何か温かいものが、じわーっと広がります。
言葉がとても美しいので、僕の言葉で紹介するのが良いとは思わないのですが、
文中に「真剣に生きられた些事」という言葉がありました。
その連続が人生である、と。
深刻になってはいけないけど、真剣にならないのは、なんか違う。
物事を深刻に捉えすぎて、自分で自分を追い込んでしまったことは、
みなさんもあると思います。
でも、それは真剣に向き合った、とも言えるのかもしれません。
些細なこと。取るに足らないこと。
でも、真剣に。
だからこそ、一生懸命に。
今日も、がんばろう。
とりあえず、がんばってみよう。
この温かい本との出会いも、取るに足らないこと、なのかもしれません。
でも、そんな日々の積み重ねに、今日も僕は生かされています。