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断熱材にも自然素材を選ぶべき?

こんにちは。建築士の小野寺です。

断熱材は、快適な住まいには欠かせない存在です。
屋根・外壁・床など、外気に面するところに断熱材を施工することで、冬は暖かく、夏は涼しく暮らすことができます。
断熱材にはいろいろな種類がありますが、今回は自然素材の断熱材についてお話ししたいと思います。

 

自然素材の断熱材の特徴


自然素材の断熱材には、羊毛・セルロースファイバー・炭化コルク・木質繊維などがあります。

天然由来のものを主原料として製造されている断熱材です。

種類は様々ですが、共通する大きな特徴があるのです!

それは、「調湿性能」です。一般的な断熱材であるグラスウールや発泡ウレタンに比べて、湿気を吸湿したり放湿したりする能力が高いと言われています。

湿度が高い場所では湿気を吸い込み、湿度が低い場所では湿気をはき出してくれるのです。

ではこの「調湿性能」があることで、なにかいいことがあるのでしょうか?

 

天然住宅が調湿性能を大切にする理由


天然住宅では、羊毛の断熱材(ウールブレス)を標準仕様としており、セルロースファイバーも採用することがあります。それは、調湿性能を大切にしているからです。

※断熱性能は、羊毛・セルロースファイバー共に高性能グラスウール16K相当

湿気は建物の躯体に影響を与えます。断熱材が入っているのは、完成すると見えなくなる壁や屋根の中です。この壁や屋根の中で、湿気が溜まってしまうと、結露する可能性があります。結露はカビなどの原因となり、躯体そのものが弱ってしまうことも考えられます。

この湿気をどうコントロールするか?


これは、日本の家づくりの課題です。

考えられる解決策のひとつは、湿気を壁の中に入れないという対策になります。
防湿シートで建物を覆ってしまえば、理論的には湿気をシャットアウトできます。

でも、丁寧に施工したとしても、完全にシャットアウトすることはできないのではないか?隙間をゼロにすることはできないのではないか?
地震が起きれば建物も動きます。繰り返し動く建物の中で、何十年も防湿シートがそのままでいてくれるだろうか?

そう考えた天然住宅では、湿気を完全にコントロールせず、壁や屋根の中を自由に行き来してもらう方法をとっています。防湿シートの施工はせず、湿気に気持ちよく移動してもらう方法です。

ただ、湿気が壁や屋根の中に滞ってしまうのはよくないのです。そのときに力を発揮してくれるのが、調湿性能をもった断熱材なのです!

湿気が過剰に入ってきても、自身の中に吸い込んでくれる断熱材。
断熱材が湿気でグズグズになることはなく、壁や屋根の中が結露してしまうことはありません。

※壁や屋根の中には、「通気層」という空気の通り道もあります!

天然住宅と大学機関との共同研究でも証明されています。

 

天然住宅の考え方


天然住宅では、断熱材以外にも、構造体である木材や、内装で使用する漆喰、外壁に使用する塗壁材など、調湿性能が高い素材をたくさん使用しています。
逆に、調湿性能が低く、湿気を通さない合板やビニールクロスなどは使用していません。

つまり、湿気は建物の中と外を自由に行き来できるようになっています。

そのような構造になっているので、調湿性能が高い断熱材はとても相性が良いのです。なくてはならない素材です!

無理なコントロールではなく、なるべく自然な流れに任せること。

天然住宅で、とても大切にしている考え方のひとつです。


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