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木製バルコニー取り替え工事

先日、築10年、無垢杉でつくったバルコニーが傷んできたので、外部でも強い木材(新たな加工技術で耐候性がある)でつくり替えました。

7-8年前くらいまでは無垢杉でバルコニーを製作していました。無垢杉は構造材や室内の無垢材としては長持ちしますが、外部の紫外線や雨風のあたる厳しい環境では、どうしても劣化しやすくなります。
それなので外部に使う木材選びには気を遣います。

自然素材にこだわって家づくりをしたいので、なるべく木材を使用したいのですが、あまりにメンテナンス費用がかかってしまうのは、建主様にとっても負担が大きいので、コストと安全性のバランスのよい方法を日々考えています。

私たちが普段からご提案している、バルコニーやウッドデッキをいくつかご紹介します。

①ヒノキ

樹種によって、比較的水に強いものもあります。
ヒノキは杉よりも水に強い樹種です。
変形の造作バルコニーや濡れ縁などはヒノキでつくることが多いです。

また外部で無垢の木を使う場合は、塗装してあげた方が長持ちします。
撥水効果や紫外線を防ぐ効果のあるものの中で安全な塗料を使って塗装をすることもあります。

シオンのU-oilなどを使用することが多いです。

②ケボニー

薬品などを使わず、安全な方法で、外部でも劣化しにくい加工を木材に施す技術がいくつかあります。そのような木材を使って造作することもあります。

今回のバルコニー取り替え工事にあたり、使ったのは「ケボニー処理」をした杉です。
ケボニー化というのは、植物由来の成分を加圧注入し軟材が硬材になる仕組みです。
サトウキビやトウモロコシなど農業で捨てる部分から抽出されたフルフリルアルコールを木材に圧力を加えながら浸透させ、100度まで加熱・乾燥させ木材の細胞組成を永久に変化させる、という木材です。
元々スペインの技術で、当地でつくられていましたが、ウッドショックの影響で外材が日本に入らなくなったため、国産材での加工が始まりました。

③エステックウッド

こちらも薬品などを使わずにつくる外部用木材です。

窒素ガスを加圧注入しながら、高温で乾燥させるという方法でつくるものです。
屋内で使用する木材は低温乾燥ですが、こちらは逆に高温で乾燥させることにより、
化石のような木材になるので、虫に食われにくく、水分での劣化もしにくい木材になります。

ただ、高温乾燥材で、強度はそれほど高くはないので、デッキ材としては補強をしながら使います。塀や手すり材として使うことも多いです。こちらも国産の木材でつくられています。

④エコアコールウッド

こちらは、「日本の森林を守ろう」をコンセプトに、民、官、学が共同開発した樹脂加圧注入・寸法安定処理剤です。木材を細胞壁レベルで樹脂化し、木材自体の性質をシロアリや腐朽菌が攻撃しにくいものに変化させます。

注入する薬剤は、木材の組成であるC(炭素)、O(酸素)、H(水素)から構成されており、有害物質を含みません。焼却しても自然のままの木材を焼却するのと同様といわれています。見た目、素材感、肌触りもそのまま仕上がり、木の香りもします。

世界文化遺産の「厳島神社」にも採用されています。

⑤アルミの既製バルコニー

YKKapのバルコニーにエステックウッドの板を貼って仕上げしています。

費用対効果を考えてバルコニーは、標準的にはアルミの既製品でつくることが多いです。
虫や水対策、紫外線劣化という観点からもコストパフォーマンスが高いといえます。

木材でつくれるのは雰囲気もいいですし、環境のことを考えてもよいと思います。

外部に使用する建材は、メンテナンスコストも考えて選ぶと良いと思います。
なるべく後で金額のかからないものを選べると良いと思いますし、私たちも検討を続けたいです。

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