前回のつづき
2年点検では現場監督が、30ほどある項目にそって点検を行います。
建主様にもヒアリングし、不具合があればその場で直したり、後日職人が訪問し修理することも。
今回の点検では、漆喰の壁にひび割れの箇所がありました。
収縮によって壁内の柱や梁の表面に割れが生じ、その上の下地が動いたことで表面の仕上げにも影響を及ぼしたようです。
どの家にも発生するわけではありませんが、無垢材を使った自然素材住宅ゆえの特徴とも言えます。
塗り壁は塗り直しができるのがいいところ。
ひび割れの部分が小さければ部分補修、大きければ一面塗り直します。
職人と現場監督で、対応をその都度検討します。
ちなみに柱や梁の割れは、構造上問題ありません。
この現象に関しては、「木の家に住みたい」と思っている方は、ある程度受け入れる必要があるかもしれません。
見た目が気になる場合、埋めることもあります。
建主のSさんは、むしろそのような変化を楽しんでらっしゃる印象でした。
他に印象に残っているのは、洗面台横の収納方法を、奥様が悩まれていたことです。
キッチンから近い位置にあるので、日用品だけでなく食材のストックも置いてありました。
「ごちゃごちゃするのが気になる」そうです。(はたから見るとそんなことはないのですが)
「白い箱を並べてその中に収納すれば見た目はスッキリするけれど、どこに何があるか一目でわかるようにしたいのでしたくないんです」「常に物が動くので、住所を決めて収納する方法も使えなくて・・」と。
失礼(?)ながら、なんだか素敵だな〜と思ってしまいました(うらやましいといいますか)。
ご本人にとっては一刻も早くなんとかしたいことかもしれませんが、試行錯誤しながら、自分たちの生活を作り上げていく、(こしらえていくという表現のほうがしっくりくるでしょうか)その過程こそ、生活のおもしろさなのではないかと思ったからです。
導入してよかったものを伺うと、乾太くん(ガス衣類乾燥機)と、リビング横の畳スペースに設置した室内物干しワイヤーとのこと。
そうそう、Sさんご家族は、家が完成した10ヶ月後にくりこまの製材所に足を運ばれたんですよ!
帰ってきてから、「木材の故郷を訪ねてやっと家づくりが完成した気持ち」とおっしゃっていました。
家づくりそのものを、楽しもうとしてくださった気持ちや、家を大切に思っている気持ちが伝わってきて感動しました。
約1時間の滞在はあっという間。
まだまだお話したい気持ちでいっぱいですが、またの機会に。
Sさん、ありがとうございました。またお会いできる日を(今度は息子さんとも!)楽しみにしています。
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