こんにちは、スタッフの井上です。
お鍋が美味しい季節になりましたね。
雑炊や煮込みうどんなど、何度も楽しめるのが魅力で、つい作りすぎてしまいます。
生活クラブのおでんも、我が家の冬の定番です。
皆さんのお気に入りの冬のメニューは何ですか?
ぜひ教えていただけたら嬉しいです!
さて、今日はオーガニックコットンのパイオニアであり、サーキュラーコットンファクトリー(CCF)の代表理事である渡邊智恵子様のご自宅のリノベーションについてご紹介します。
▼施工写真はこちら。
設計はCCFの建築チームが担当し、施工を天然住宅が手がけました。
今回のリノベーションでは、これまで使用したことのない建材も多数取り入れています。
いつもと少し違った雰囲気をお楽しみいただけたら嬉しいです。
環境と身体に優しいリノベーションの取り組み
CCFは「着るを資源に」というテーマのもと、繊維ゴミを再生紙にアップサイクルし、循環型社会を目指す活動を行っています。
このリノベーションにもその理念を反映し、「捨てない」「再利用する」「環境と身体に優しい」という考えを基盤に進めました。
使用した素材とリノベーションの工夫
CCB(サーキュラーコットンボード)
内装材には、CCFが開発した壁紙「サーキュラーコットンボード(CCB)」が使われています。
原料は廃棄される衣服の繊維から作られた再生紙で、90%以上がリサイクル素材。
目地の素材を変えると、また違った表情が楽しめます。
上はコットン糸、下は真鍮を埋め込みました。
既存建具の再利用
また、建具の多くは既存のものを再利用しています。
そのまま使うのではなく、CCFが開発した「サーキュラーコットンペーパー(CCP)」を巻くことで、柔らかな印象に仕上げました。
このペーパーは、廃棄綿50%と木材パルプ50%を使用したものです。
壁の仕上げ
さらに、内装にはホタテの貝殻を原料とした塗り壁や塗装を取り入れました。
ホタテの貝殻は廃材として捨てられることが多いですが、これを再利用することで廃棄物削減につながります。
また、調湿効果が高く、湿気の吸収・放出による快適な環境作りや、空気清浄化、消臭効果も期待できます。
床や天井の素材
1階のリビングの床はナラ材のフローリング、2階の居室には、京都産のスギ材(低温酵素乾燥、柾目の赤太仕上げ)を使用しました。
断熱材には、服の繊維を再利用したセルロースファイバーを吹き込み、断熱性とエコロジーを両立しています。
また、染織作家の佐伯和子先生にもご協力いただき、アップサイクルの取り組みを建材に取り入れています。
捨てられる布団のワタを糸状にして建具のデザインに活用したり、廃材を吊り天井の装飾に用いるなど、クリエイティブな工夫が随所に施されています。
環境負荷を最小限に
今回のプロジェクトでは、フルリノベーションと比較して建築ゴミを約1/3に抑えることができました。
また、新たに使用する建材も、「土に還るもの」「リサイクル可能なもの」「環境や健康に配慮したもの」を厳選し、地球にも身体にも優しい空間を目指しました。
自然素材の空間というと、何かと制限があるように感じるかもしれません。
しかし、素材の活用方法や組み合わせ次第で、住まいの可能性は大きく広がります。
今回の事例が、皆さんの住まいづくりのヒントになれば嬉しいです。
施工写真はこちらをご覧ください。