生きる はたらく つくる|皆川明
こんにちは、スタッフの小野寺です。
ブランド「ミナペルホネン」の創立者であり、デザイナーの皆川明さんが書いた本。ご自身の生い立ち、ミナの設立から成長、ものづくりに対する心意気。まさに「生きる はたらく つくる」、盛りだくさんの内容です。特に後半は名言のラッシュで、私の脳内は名言の渋滞を起こしておりました。
最近、ミナペルホネンの展覧会にも行ってきました。槇文彦さん設計の名建築「スパイラル」での、テキスタイルを中心にした展示。レディースの洋服がメインでもあり、女性ファンが圧倒的に多いミナ。でも私、かわいくて素敵な柄に囲まれ、乙女心に火がついてしまいました。物販で買い物をしてしまったのは、言うまでもありません。
ミナの洋服は、一般的な感覚からすると、高価です。3万円のシャツ、5万円のブラウス、7万円のスカート。
展覧会や読書、その他皆川さんのインタビューや対談を聞き、僕もいつか着てみたいと思うようになりました。(もちろんメンズ)
それは、いわゆる消費活動とはちょっと違うのではと思います。ものの良さはもちろんですが、つくり手の思いやデザイナーの思いを知り、僕はひとりの生活者として共感し、応援したいと思いました。
ミナの服は、一生着れるように、経年変化を楽しめるように、遊び心を持った仕掛けがしてあったりします。そして、国内製造にこだわり、工場の人や職人さんのことも、共に働く仲間として、大切にしている。洋服で、この世界をなんとかしようとしている。
なんかもう、値段とか、忘れちゃいます。もちろん、「身の丈」は大切。無理にジャンプすると、着地の時に足を痛めそう。でも、背伸びするくらいなら、たまにはいいのかな。それで暮らしが豊かになり、幸せな気持ちになるのなら。
皆川さんは、人のなかに残る「よい記憶」のきっかけとなるものをつくりたいのだと言います。その人を黙ってささえるような、「よい記憶」。どんな「よい記憶」にしたいのか、それを丁寧に考えようと。それさえ忘れなければ、やるべきことは見えてくると。
まさに、天然住宅が日々考えていかなければならないことです。毎日をただ黙ってささえる、「よい記憶」。そのきっかけとなる家づくり、そして家とは、なんなのか。
気づきと勇気をもらった恩返しに、僕も考えることをやめるわけにはいきません。