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建主様伐採ツアー2021 その2

前回に続き、建主様による伐採体験ツアーのご紹介をさせていただきます。
今回は、A様ご家族、1歳と5歳のお子様とご夫婦の4人で伐採体験していただきました!
 
A様はご夫婦ともに、アウトドアのアパレルブランド「パタゴニア」に勤務されています。パタゴニアは言わずと知れた環境意識の高い企業です。
私たちもその姿勢は、常に見習いたいと考えている素晴らしい会社です。
 
天然住宅にはパタゴニア勤務の建主様が数組いらっしゃいますが、皆様、本当に人柄が魅力的で、しっかりとした志とお考えをお持ちで、「かっこいい」と思う方ばかり。お会いした方々が、皆そのように明るくポジティブな雰囲気をまとい、かつ芯をお持ちです。これは稀有なことだと思いますし、さすがパタゴニアだな~と思います。
 
A様も本当に素敵なご家族です。
もちろん伐採体験を通してご自身の家づくりに参加される意義も感じていただいていますが、さらには、くりこまの取り組みについてもとても興味を持っていただいていました。
 
くりこまでは、伐採、製材の他にも様々な取り組みを現地でしているので、その案内もしています。
  

▲サスティナビレッジの見学

今、現地ではサスティナヴィレッジという計画が進んでいます。5戸長屋を4棟建て小さなヴィレッジをつくり、そこに熱と電気を供給する「バイオマス発電&熱利用施設」をつくって、運用しはじめています。これが本格稼働すると、木を端から端まで余すところなく使えるようになります。
 
これができることによって、くりこまが目指してきた木材の「カスケード利用」がより進化した形で実現していけます。
 
木材をまずは家や家具などに「無垢の木材として」使い、余った材をペレットなどの「燃料にして」利用し、それでも残る林地残材や木くずまでも「熱や電気として」活用することができるようになります。
 
木を無駄なく使い、持続可能な形で経済性を生み出していく仕組みです。森側が自立して経済を生み出していくことはとても意味があります。
 
くりこまくんえんの大場さんは、「森は自立して産業として成り立たせなくてはいけない」と言います。
そうしなければ、補助金や助成金に頼って、森の都合を考えない林業をすることになるからです。そうなっては、森を守ることはできないし、「価値ある森」を未来に残すことはできません。
 
そのような志をもつ山の木材を使うことこそ、本当に持続可能な家づくりだといえると思います。
 
A様と、大場さんとの話も盛り上がったようで、「お客様自身パタゴニアにお勤めで環境意識がとても高く話が尽きなかった」そうです。
KURIKOMAの椅子もパタゴニアの本社で導入していただいているとのことで、樹の生えていた場所や製造工程も見ていただくことができ、嬉しかったそうです。このように志のある会社がつながっていくことはとても意味のあることだと思います。
 
A様は、バイオマス発電については、「エネルギー製造過程で火力が必要となり、CO2排出されることを気にしていたが、ヴィレッジがドイツから導入した、国内初となる機械は排出される灰がとても少なく、その材料も同じ森から得られる循環型のスキームに感動し、バイオマスのイメージが変わった」とおっしゃっていました。
 

▲燃焼ガスの熱利用と発電をする装置

一口にバイオマスといっても、様々な取り組み方があります。
木材の調達方法や、バイオマス発電の規模や成り立ちによっては、「森や環境のためになっていない」こともあります。「一見小さな差異だけれど実は本質的な違い」がそこにはあります。そこまで見ていただけて、知っていただけたことはとても嬉しいことです。

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ツアー当日は、午前中に伐採し、A様がお昼を食べている間に山から伐採した木を工場に運び、午後に製材を見ていただきました。今回選んだ木は丸太のまま「通し柱」にして、家の大黒柱として使う予定です。
 

事前に、図面から相応しい樹を3本きこりさんに選定しておいてもらい、その中から1本をA様に選んでいただきました。最終的な選定は5歳のお子様にしてもらったそうです。
 
午後は工場にて午前中に伐った木の製材です。1番玉は6mの通し柱なので、土台に乗せずに基礎に載せるので、6m50cmの長さで玉切りしました。残りの2番玉、3番玉を工場にて製材しました。2番玉も無節のいい面がでたので図面とにらめっこしながらどこに使うかを考えます。
 

工場内の製材機や乾燥炉を見学できるのも魅力の一つなのかと思います。

A様は、「工場見学では、ちょうど燻煙庫から燻された建材が運ばれている最中で、暖かさと香りが残る庫内を内覧できたのは良い経験となった」とおっしゃってくださいました。
 

▲くんえん乾燥炉の中を見学

乾燥炉が開くのは数日に一度なので、タイミングが良かったと思います。
 

手刻みが始まった時点でまた宮城に足を運ぶ約束をしてきたそうです。
 
***
 
伐採日当日は、雨でした。
寒い中の体験になり、お子様もずっと泣いていたそうです。。
お子様をお連れの皆さん、山に入るのはやはり大変です。寒かったり、歩きにくかったり、チェーンソーも大きい音が鳴りますので、お子様も泣いてしまうことは多々あります。そんな中、お子様を励ましながら、抱っこしながら山に入っていただけること、とてもありがたく思います。
 

それでもなお、私たちは、お子様と一緒に伐採体験をしてもらえることはとても良いことだと思っています。一緒に木を選んで、両親が伐採するシーンは、きっと心に刻まれるのではないでしょうか。
 

▲チェーンソーをつかって受け口をつくる
▲追い口をいれていきます!

当日、山に入ると5歳のKちゃんはずっと泣いていて、1歳の弟Mくんは「無の境地」だったそうです。
 

お子様のリアクションは様々ですが、
やはり心の中では色々な感情が渦巻いているのではないかな、と思います。
 
ところが、木を選ぶ時はKちゃんは泣き止み、引き寄せられたように木を選んだのだそうです。
 
Kちゃんいわく「選んだ木ははじめは寝ていて、触れた瞬間に目を覚ました」のだそう。
 

Kちゃんは、自宅へ帰ってきて、伐採した時の記念品である「受け口」を大切にしてくれているようです。「ちょこちゃん」という名前を付けているのだそうです。
 
また、伐採時の動画を『見せて、見せて』といって何度も見ているそうで、
そのたび、『トントントントン』といいながら家族で伐採体験の余韻に浸っているそうです。
 

▲伐採後は笑顔でバンザイ!

ご夫婦にとっても、その受け口部分を何に利用できるか構想を練る時間があり、それもまた体験の一部になっている、とおっしゃってくれました。
 

▲伐採した木材の切り株
▲お疲れ様でした!

木の倒れるシーンは迫力がありますし、静寂の中で木にくさびを打ち付ける音は神秘的な響きがあります。
 
木のにおいや音、ご両親と一緒に伐採したシーン、寒かったことも含めて、これからもぜひ思い出してほしいなと思います。
 
今回の伐採体験が、よい思い出になって、家への愛着につながるといいな、と思います。長く住み継いでいただけるよう引き続き丁寧に家づくりを進めていきます。
 

■ツアースケジュール例(車移動の場合)

【1日目】
早朝発
↓約6時間
お昼頃すぎに川渡温泉(鳴子温泉)到着

エコラの森を散策、サスティナビレッジの見学
(そのまま鳴子温泉など観光もOK!
長時間ドライブの疲れなども加味して余裕のある計画をしてください)

旅館に宿泊
※宿は、御殿湯、鳴子温泉、川渡温泉あたりであればどこでもかまいません。
 
【2日目】
午前中、旅館までお迎え
↓ 移動10分
エコラの保養所、森へ
・着替え
・移動
・伐採等
↓移動:約40分
くりこまくんえん製材所
・製材
・乾燥炉など見学

そのまま車で帰宅。
(もしくはもう一泊。)
 
※ご予定、ご希望によってアレンジしています。

 
伐採体験ツアーは、秋から春にかけてのみ行うことができます。
「ぜひやってみたい」という方はお気軽にスタッフにお声かけください。

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