皆さんが自然素材の家でイメージすることは何でしょうか?
「心地いいい家」「健康的に暮らせる家」など、ポジティブなイメージを持たれる方は多いと思います。
同時に、「本当にいいことばかりなの?」「お手入れが大変そう」「ちょっとでも手を抜いたら短期間で修繕が発生してしまうのでは?」など、期待と同じくらい不安もあるかもしれません。
自然素材の家にはメリットもデメリットもあります。
どちらも知った上でご自身に合った家づくりを選んでいただくのが一番だと思います。
ここではまず、「快適・長持ち・森を守れる」の3つの視点で、メリットについてご紹介します。
自然素材住宅のメリット①|快適さ
自然素材住宅の一番の良さはやはり心地よい!ということに限ると思います。
無垢の木材や、当社で使用する塗り壁(うみびとほたてや高千穂シラス)は、調湿性に優れています。無垢の木材や、塗り壁の成分であるほたての焼成やシラスは多孔質で、そこで湿気の吸放出を行い、室内を快適な状態に保ってくれます。
「建主様からは部屋干しが良く乾く」というお話をいただくことがよくあります。また、多孔質な成分には消臭効果もあります。犬や猫ちゃんなどペットの匂いも室内ではほとんどしなくなります。
無垢の木材の中でも、当社で構造や仕上げにもよく使う「杉」は様々な樹種の比べ、空隙が多く、同じように調湿性能に優れています。4寸角の柱一本に、ビール瓶3本分の水分を含むことができるといわれています。杉の無垢材は保温性もあり、冬には床暖などがなくても冷たくなりません。
夏に裸足で歩いても、ぺたぺたした感覚がなくさらさらです。また、杉は柔らかく、程よい摩擦もあるので、歩きやすく、小さいお子様がハイハイしたり、ペットが走り回るのにも衝撃や身体への負担が少なくなります。
無垢の杉にはリラックス効果もありますし、同時に防虫効果もあります。杉は日本の固有種で、昔から居住空間や様々な道具にも使われています。日本人の暮らしと調和した材料だといえます。
杉の他にも樹種によって様々な特徴があります。水に強かったり、傷がつきにくい、防虫効果がより高いものもあります。それぞれの特徴を知って適材適所で使用することができるとよりすごしやすい空間をつくることができます。
そして何より、快適さに寄与するのは「空気のきれいさ」かと思います。
一般的な建材には建材をつくる時に接着剤や薬品が使われているものがほとんどです。新築した家が原因でシックハウスになってしまう方もいらっしゃいます。
まずは、有害な化学物質を含む建材を使用しないということが何より大切で、その上で自然素材を使用して空間をつくっていくと快適で過ごしやすい空間がつくれ、健やかで豊かな暮らしを築いていく土台が形作られていくと思います。
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自然素材住宅のメリット②|長持ち
数々の歴史的建造物が示す通り、木造建築は長持ちします。無垢の木材の強度は200年目に強度のピークを迎え、1000年かけて新築時の強度へとだんだんと戻っていきます。
日本において、建物の寿命は30年と短命です。長持ちするつくりが実現できれば、各世代で住宅ローンを組まなければならないということもなくなりますし、家庭の支出の大部分を占める住宅費を抑えていくことができます。
また、家が社会資産になっていくことができれば、経済的にも豊かになり、ゴミも減ります。家は長持ちするに越したことはありませんし、木造住宅をしっかりとつくればそれを実現していくことができます。
家全体を羊毛断熱材で包みます
日本において、住宅を長持ちさせるためにしなければならないことは湿気対策です。まず、壁の内側を湿気させないことが重要です。壁のつくりには十分に気を遣ってあげることが必要です。仕上げから外壁まで調湿性のない建材を使用せず、湿気を遮らない作りにすることが重要です。
その時にも活躍するのは自然素材です。仕上げにはビニールクロスは使わず、和紙もしくは塗り壁。構造も合板は使用せず、無垢材。断熱材もグラスウールではなく、羊毛やセルロースファイバーを使用しています。湿度を遮る層があるとそこで結露のリスクが高まってしまうからです。それなので、すべて調湿性のある建材で家を建てていくことが重要です。「壁内結露」は、湿潤な気候である日本においては、寿命を短くさせる代表的なリスクとなりえます。
また、木材は元来虫に食われにくい成分をもっています。それを活かしたまま構造に使用することで、その効果を発揮してくれます。そのために重要なのは乾燥です。乾燥方法は高温での乾燥ではなく、低温乾燥をした木材を使用します。低温乾燥した木材は、虫の嫌う成分であるフィトンチッドを含んでいるので、食われません。土台にはヒバ、ヒノキなどにおいの強いものを使用することで、シロアリに食われにくくなるのです。
自然素材住宅のメリット③|森を守れる
日本は森林大国です。日本の国土の68%が森林です。
そしてその多くの産地では林業が経済的に成り立たず、衰退し、守り手がいなくなり、森が荒廃するという悪循環が生まれています。
それなのでこの環境を守っていくのに必要なのは、国産の木材を使用してあげるということです。
家づくりの時の持続可能な選択は外国産木材を使用せず、また森への対価が少ない合板などを利用しないということがまず大切です。国産の無垢材を選択し、それもできれば持続可能な林業を行っている産地の木材を使用していくことができたら、家づくりが持続可能なものになり、森や環境への良循環に寄与することにつながります。
コロナ前の恒例行事だった森林イベント
家にはたくさんの部品がつかわれます。そのようなものの一つ一つを吟味して、できる限り環境負荷の低いものを選ぶことがこれからの時代では必要になると考えています。工業製品はたくさんのエネルギーを使用します。外国産のものは運輸の負荷があります。自然素材は再生可能な素材です。木は毎年少しずつ成長していて、日本における使用量を上回る成長をしています。この有効活用を考えていくことが必要です。
自然素材住宅の良さは「条件付き」です。
外国産材や合板では、その良さを享受できるとは言えません。
ぜひ本物の自然素材住宅に出会ってください。
さて、メリットは様々なところで書かれているものですが、デメリットはどうでしょうか。次回、一般的なイメージと、実際の建主様の暮らしなどを比較しながら書きたいと思います。
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