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【助産師に聞きました】安産の秘訣はありますか?

 
助産院での出産がどういうものなのか知りたくて、その魅力に触れたくて、2015年に中野区でしらさぎふれあい助産院を開業された、院長の木村恵子さんに話を伺っています。
(これまでの話は >>こちら

最終話はずばり、安産の秘訣について教えていただきます!
 

助産院でのお産を希望する方の最近の傾向


<< 以下、木村さんのお話 >>
 
最近しらさぎでお産を希望される方に、「どうして、ここにたどり着いたの?」と聞くと、多くの方が「立ち会いができるから」とおっしゃいます。
 
しらさぎふれあい助産院では、感染予防に十分注意していただいていることを前提に、同居のご家族の立ち会いを受け入れています。
なぜかというと、「お産を誰と一緒に迎えるか」はとても大切なことだと思うからです。
 
たとえば夫が立ち会えたら、その体験はきっとかけがえのないものになります。実際に立ち会ったご主人が、会社の後輩に「立ち会ったほうがいいよ!」と宣伝していたという話を聞きました。それだけ感動したのだと思います。

できるなら赤ちゃんが生まれる瞬間だけでなく、痛みが少ないうちから一緒に過ごせると、お産もスムーズに進みやすくなるのでおすすめです。

それから、経産婦さんが「上の子を立ち会わせたいから」という方も多いです。
上の子も一緒に立ち会うと、何とも言えない感動の場面に立ち会えることがあります。これこそ最高の性教育ではないかと思っています。

しらさぎでは、上の子が赤ちゃんを迎える時の心の準備のため、「赤ちゃんがやってくる」というクラスを開催しています。
はじめはママやパパの膝の上に座って遠巻きに話を聞いていた子ども達も、どんどん助産師の話に引き込まれていきます。おうちにあかちゃんがやってくる。もうすぐおにいちゃん、おねえちゃんになる。なるべく自然な形で伝えていきたいですね。

助産院の良さはそれだけではないですが、正直入り口はなんでもいいんです。「ごはんが美味しそう」でも「施設が綺麗」でも「立ち会いができる」でも。どんなきっかけでもいいから、ひとりでも多くの方に助産院でのお産に興味を持っていただきたいです。

安産のために何より大切なことは?


最後に、助産院で産みたいと思った時に大切にしていただきたいことをお話します。

これはどこの施設で、どのお産をする時も同じです。養生(ようじょう)とも言いますが、「心作りと体作り」です。
 
私は妊婦さんや母乳ケア、産後ケアに来るママ達に、必ずあることを尋ねます。

「ママの体を作ったり、お腹の中の赤ちゃんの体を作っているもの、それから母乳の原材料は何でしょう?」と。

そうすると、ちょっと考えたりしながら答えが返ってきます。「え~っと、食べ物?」私は「そう!」と大げさに反応します。
よく考えてみれば当たり前ですが、そのことを意識していなかったり、忘れていたり、それとこれとは別!と思ってる様子の方もいれば、分かっているけど気付かないふりをしているかのように見受けられる方もいるからです。
 
でも、それをハッキリ頭にイメージして欲しいんです。ママが食べるもので赤ちゃんはできている。だからママが何を食べるか、飲むかがとても大事なんだと。

それから、食べ方も大切!という話もします。一口ずつ口に運んだら、箸を置いて、たくさん噛んでくださいと伝えます。唾液を利用し消化を助けるような食べ方をしてほしいから、唾液の効能について最初に時間をかけて説明します。
理屈が分かっていないと人はなかなか行動を変えることができないので丁寧に伝えます。
 
それから運動や生活習慣の話もします。身体は温かく保って欲しい。まずは運動ねと。
「熱を作る」には一番は筋肉運動。まずはよく歩こうという話をします。それから体温を逃がさない。熱を保つ方法などをお伝えします。

そして早寝早起き!なかなか運動習慣が付きにくい方や近所の妊婦さんは、一緒に早起きして公園まで歩き、全力でラジオ体操をします。行って帰ってきて約1時間。それだけを毎日やれたら、きっと安産です。しらさぎの妊婦さん、楽しくわいわいラジオ体操して安産ゲットしています。妊婦の皆さん、みーんなにおすすめです。
 
とてもシンプルなことですが、これらをしながらお産を楽しみに待つ!くらいの気持ちでいられたら、限りなく安産になりますよ。ぜひ心がけてみてくださいね。

3話に渡り、木村院長の話をお届けしました。いかがだったでしょうか?

1話目の、「また産みたいと思えるくらい気持ちの良いお産」は、オキシトシンやβエンドルフィンというホルモンが関係していて、そのホルモンは、リラックスしている最中に大量放出するというお話が印象に残っています。
 
今回しらさぎふれあい助産院の移転先の工事を担当し、無垢材と自然素材で丸ごとリノベーションさせていただきましたが、一番多く使ったのが無垢の杉の木でした。杉の木には、心を和ませ落ち着かせてくれるリラックス効果や睡眠導入効果があります。

やわらかな空気質やあたたかな肌触り、木の良い香りなど、五感を通して間接的にでも、安産につながるお手伝いができるのだとしたらこんなに嬉しいことはないのではと思いました。
 
今回の特集が、助産院でのお産にちょっとでも興味を持ったり、身近に感じるきっかけになれば幸いです。
木村さん、この度は貴重なお話をありがとうございました!
 

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