こんにちは。田中竜二です。
家の中に無垢の家具はありますか?
ほとんどのご家庭に、木製の家具はあっても、「無垢の」家具はないのかと思います。
木製の家具の多くは、合板や集成材でできています。
最近では、無垢の家具はなかなか売っていませんから、手に入れるのも困難ですね。
無垢で家具を作るというのは非常に手間のかかることです。
まず、木の乾燥を時間をかけて、丁寧に丁寧にしないといけません。
建築の木材は含水率20%前後まで乾燥させてから建てますが、家具はそれ以下(10%前後)まで乾燥させます。
それも木の強さを活かして作ろうとすると、高温乾燥ではなく、天日乾燥、低温乾燥など乾燥方法にも気を遣います。
生きている木を相手にしているので、そりや割れの対策もしなくてはいけません。
樹ごとに個体差がある中で一定の強度を出さなくてはいけません。
「そんな手間かけていられないよ!」が、この高度資本主義社会では正解なのだと思います。
しかし、この手間をかけて家具をつくる家具職人がおります。
静岡の「すまうと」の野木村さんはそのひとりです。
▲デザインから製作まで手がける、すまうとの野木村敦史さん
「すまうと」ではさらに、国産(県産)材のみを使用し、防腐、防カビ、防虫処理もしません。
のりにも通常の木工用ボンドを使用せず、でんぷんのりやにかわのりを使用して家具を作っています。
私たちのこだわりと軌を一にする、数少ない家具職人のお一人です。
さらにさらに、
無垢の家具といえば、皆さまイメージされる通り、武骨になりやすいものです。
すまうとの家具は、見た目にもスタイリッシュです。
樹種による特性や強度を知っているからこそ、またそれをうまく組み合わせる技術と工夫があるからこそ実現できることです。
このように語りだせばとっても長くなりますが、天然住宅の建主様には、そこまで語らずとも、その良さをわかって選ばれる方がたくさんおります。
今回のご相談もそうでした。
数年前に天然住宅でマンションリノベーションをされたK様から、「楕円形のテーブルを無垢でつくりたい」とご相談いただきました。
そこで、「すまうと」をご紹介させていただきました。
ずっと楽しみにしておりましたが、先日、それが出来上がって納品されました!
山桜のダイニングテーブルです。
K様は、リノベーションのときにも私たちの提案を、どことなく楽しみながら受け入れてくれているような雰囲気があり、設計もやりがいをもって家づくりをできた記憶があります。
今回、テーブルを作るにあたっても、その工程を味わうように楽しんでいただいきました。
実際に静岡の工房まで足を運ばれ、使用する木を選ぶところから始められたそうです。
そこで、野木村さんいわく「楕円になるために生まれてきたような」板を選ばれ、それを美しく繋げて世界にひとつの一品(逸品)になりました!
楕円形のテーブルは、実は、使い勝手に拡張性があり、使いやすいのでお勧めです。
使う人数も増やせるので、多用途で使えますし、アドレスフリー、それでいて省スペースです。
山桜はだんだんと飴色に経年変化していく樹種です。
これから周りの無垢の木材とともに味わいが出てくるのが、楽しみですね!
K様もとても喜んでくださっています。
夢だった、ご自宅で賛美歌を歌い、聖書の詩篇を読む、そんな集まりをご友人たちと、このテーブルを囲んでやることを楽しみにしてくださっていました。
すまうとでは、通常のレギュラー品もあり、おすすめですが、このようなオーダー対応もしてくれますので、ぜひ、こんなことできないかな?というものがあれば、相談してみてください。
私たちもおつなぎします!
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すまうと×天然住宅 による「住まいの道具」共同プロジェクト
・トイレットペーパーホルダーとタオル掛けを作りました。
写真は こちら>>
・お仏壇も作りました。
写真は こちら>>