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読書日記|田中

ナチュラルおせんたく大全|本橋ひろえ

今年の梅雨は長かったですね。

梅雨の時期に、悩ましいことのひとつは「洗濯」ではないでしょうか。

部屋干しすると、においが残ってしまうので、できるだけ外に干そうと、晴れ間を見ながら洗濯ものを出し入れすることもありました。
でも結局、外出中に雨が降って、洗いなおし・・・

乾燥機の導入を本気で考え始めたところ、この本に出会いました。

合成洗剤などでにおいをごまかす方法ではなく、「ナチュラルな方法」でしっかりと汚れを落とすことでにおいをなくす。
本質的な解決を目指す洗濯の神髄に迫る本です!

洗濯に使うものは、主にせっけん。
そして、重曹、過炭酸ナトリウム、クエン酸を適宜組み合わせて使うことで効果を上げていきます。

特に面白いと感じたのは、洗濯をロジカルに考えられるようになることです。
 

目からうろこ① 汚れを落とすメカニズム


洗濯機で汚れを落とすときにぐるぐる回って、「こすり洗い」をしているのかと思ってましたが、そうではないようです。
洗いの本質は、汚れを「水に溶かす」ということだというのです。

「洗い」で汚れが13%に落ち、「1回目のすすぎ」でさらに13%に、「2回目のすすぎ」でさらに13%になるのだそうです。

普通の洗濯機を使い、石鹸がしっかり機能すれば、洗った後に0.2%まで汚れが落ちるのです。

目からうろこ② せっけんがあれば大丈夫


中性洗剤、柔軟剤など世の中には様々な種類の洗剤が、用途別に販売されています。
しかし、せっけんをしっかりと泡立てて使うことができれば、様々な種類の洗剤は必要ないというのです。

これはうれしい事実ですね。

石けんと上記の3種類プラスアルファさえあれば、あとは、「工夫」と「ひと手間」を加えるだけで、ほぼすべての洗濯ができるのです。

「ひと手間」が楽しみに


子どものころから、合成洗剤は健康や環境に良くないということで、せっけん洗剤で洗濯した服を着ていました。
においや汚れが落ちないこと、ごわごわになってしまうこと、これは仕方ないことなのだと、「安全性の代償」なんだと思い込んでいました。

しかし、本当は、正しい洗濯の仕方を知らないだけだったのです。
洗濯のメカニズムを知り、せっけんのポテンシャルを活かす洗濯ができれば解決できるのです。

家づくりでも、よき洗濯のためにしておくことがいくつかあります。
まず、洗濯用水栓を「混合水栓にしておくこと」。
これはとても大事な要素です。
せっけんや重曹はお湯の方がよくとけますし、汚れの落ちも違うようです。
また干す場所や、家事動線なども検討しておくとさらに暮らしやすくなるのかと思います。

また、建主様からよく言われるのは、「天然住宅は部屋干しでもよく乾くよ」ということです。
調湿性のある建材だけで家づくりをしているので、梅雨時でも無垢材や羊毛の断熱材が湿気を吸ってくれるようです。

本書で紹介されている洗濯の仕方は、より効果を上げるために、スイッチオンだけの洗濯に、プラスひと手間かかります。でも、本を読んでからは、洗濯のひと手間が楽しく、洗濯物や洗濯機が愛おしくすら感じます。

最近は、家族から「洗濯おじさん」と呼ばれています。
確かに、今洗濯にハマってます。でも家事にハマるって幸せなことですよね。

毎日の家事を少しずつ楽しくしていけたらいいと思います。
これからも暮らしに根差した家づくりや提案をしていきたいと思います。

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