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メンテナンス|無垢の床の大掃除

幼い子どもがいると、床が汚れる


無垢の床は汚れが浸透するので、一般的な合板の床と違い、かえって汚れが目立つかもしれません。
我が家には、幼い子どもたちがいるので、床がよ~く汚れています。

床の拭き掃除 ビフォー

子どもたちは庭から汚れた足で帰ってきて家の中を走り回る、食べ物、飲み物を食べ飲み散らかす、ときにはお漏らしも…

そんなわけで我が家の床は、張り替えて4年しか経っていないのに、床だけ築20年??という、味のある色になってしまいました。

無垢の床の大掃除手順


我が家で辿り着いた無垢の床の大掃除手順は下記の通りです。

合成洗剤やマイクロプラスチックの問題を生じるものを極力使わずに無垢の床をきれいにする方法に辿りつきました。

手順① 掃除機がけ
手順② セスキ炭酸ソーダ水で拭き掃除
手順③ クエン酸水で拭き掃除 ※必要に応じて
手順④ 爪楊枝で無垢の床の隙間を掃除

汚れの程度や好みにもよりますが、我が家では半年~1年に1回程度実施しています。

ポイント① 床の汚れについて理解する


床の汚れは食べ物のカス、人の体から出る皮脂、垢(、尿)、汗、料理の油汚れなど酸性の汚れがほとんどです。
水や油に溶ける酸性の汚れであれば、重曹など、アルカリ性の液体を使って結合(中和)させることで、床から剥がして落とせます。

ポイント② 床が黒ずんでも動揺しない


通常、無垢の木に対して重曹水などのアルカリ性の液体を使うことはご法度とされています。アルカリ性の液体は木に含まれるタンニンと反応して、木を黒く(紫色に)変色させてしまうからです。

ただし、木が黒ずんでしまっても、酸性の液体「クエン酸水」を含ませると、アルカリ性の液体とクエン酸が結合し、木の黒ずみを消すことができます。変色後、しばらく日が経ってからの対処でも問題ありません。

このことが分かっていれば、床の汚れを落とすために恐れずにアルカリ性の液体を使えます。

※樹種、床の塗装に使用しているものなどによって、結果は変わってくるかもしれません。目立たないところで実験してから、全体の掃除に取り組むことをおすすめします。我が家の床は杉の無垢材、塗装には米油を主原料とした「キヌカ」を使用しています。

下記に、我が家でたどり着いた、拭き掃除手順を具体的に説明します。

手順① 掃除機がけ


 〈用意するもの〉
 ・掃除機

まずは掃除機で埃を除きます。我が家では、毎晩ルンバが掃除してくれています。

手順② セスキ炭酸ソーダ水で拭き掃除


 〈用意するもの〉
 ・セスキ炭酸ソーダ (水500mlに対して小さじ1杯程度)
  ※汚れの程度によって調整してください。
 ・40℃程度のお湯
 ・バケツ
 ・(びわこ)ふきん 4,5枚
 ・ゴム手袋

セスキ炭酸ソーダ水で掃除

※ふきんは「びわこふきん」を強くおすすめします。汚れ落ちが良いので、かかる労力が格段に減ります。

※セスキ炭酸ソーダ水は若干強いアルカリ性の液体のため、直接触ると肌がぬるっとします。手荒れしないよう、掃除中はゴム手袋をはめていたほうがよいです。

※床の汚れが軽度であれば、重曹でも良いです。

セスキ炭酸ソーダ水に浸したふきんを軽く絞り、一つの場所を何度も拭きます。

まずは汚れに対してセスキ炭酸ソーダ水を浸透させるように、焦らずに、軽くゆっくり床をなでます。そしてだんだん気合を入れてゴシゴシ拭いて、汚れを落とします。

汚れたふきんはセスキ炭酸ソーダ水のバケツに入れずに、洗面所で水洗いします。

この繰り返しで汚れを落としていきます。

無垢の床の大掃除_ビフォーアフター

この写真は我が家で一番汚かったキッチンの床。ビフォーアフターの差が強烈ですね…

手順③ クエン酸水を含ませる


床の色を見て、必要に応じて実施してください。
床の汚れに対して使用したセスキ炭酸ソーダが多かった場合、手順②によって床の色が黒っぽく変色することがあります。その場合は、この工程(手順③)を実施します。
黒っぽく変色していなければ手順④に進んでください。

〈用意するもの〉
・クエン酸 (水400mlに対して小さじ2杯程度)
・水
・ぞうきん

クエン酸で掃除

ぞうきんを軽く絞り、クエン酸水を床になじませていきます。
この手順は、汚れを落とすためではなく、床に残ったアルカリを中和させるための手順です。気楽に取り組みましょう。

手順④ 爪楊枝で無垢の床の隙間を掃除


〈用意するもの〉
・爪楊枝
・ティッシュ
・掃除機

爪楊枝でフローリングの隙間を掃除

手順②で掃除しているときに、汚れを含んだ黒い水が無垢のフローリングの隙間に入り込むことがあります。
ある程度乾いてきてから、爪楊枝を隙間に走らせると黒いカスが取れます。爪楊枝についた黒いカスはティッシュで拭き、床に落ちた黒いカスは掃除機で吸い取ります。

以上で無垢床の大掃除は完了です。

この一連の作業は比較的大変な作業です。慣れないうちは一度に全体の掃除をせず、何度かに分けて限られた範囲の掃除をしていくことをお勧めします。

お掃除後


写真では伝わりづらいですが、実際に見ると一目瞭然です。
何よりも足ざわりが快適になり、床を張り替えた当初の気持ちよさが蘇りました。子どもも私もゴロゴロしてしまいました。

もし、床が黒くなってしまった場合は、焦らずクエン酸水をもう一度含ませてください(手順③)。床の汚れに対してセスキ炭酸ソーダを多く使ってしまうと、床が黒ずんでしまうことがあります。 

子どもたちも気持ちよさそう

本の紹介

無垢の床の掃除については、私にとって積年の悩みでした。

今回紹介した無垢の床の掃除方法は「ナチュラルおそうじ大全 本橋 ひろえ著」から着想を得ました。

無垢の床掃除についてはこの本に書かれていませんが、この本を読むと、汚れの性質に合わせてナチュラル洗剤(重曹、過炭酸ナトリウム、クエン酸、石けん)を使い分けられるようになります。

それぞれのナチュラル洗剤の力を引き出すにはどう使えば良いか、またキッチン、トイレなど場所別の掃除のコツについても書いてあります。

合成洗剤を使いたくない方、ナチュラル洗剤の上手な使い方を知りたい方にとてもオススメの本です。

ナチュラルおそうじ大全

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無垢の床、傷のメンテナンス実験記事は こちら>>

メンテナンス|無垢の床のオイル塗装レポートは こちら>>
 

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