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ペレットストーブのススメ

そろそろ暖房の準備などし始めるころではないでしょうか?
 
新築やリフォームの際、暖房についてよくご相談いただきます。
 
賃貸では今ある設備によるところが多く、選択肢は少ないので、エアコンや灯油ストーブ、ガスコンセントがあればガスストーブなどをお使いになることが多いのではないでしょうか。
 
賃貸では選択肢は限定されていますが、新築の際には、ぜひ暖房について、再検討されるとよいと思います。
 
暖房を何にするかも大切ですが、それより先に「断熱」をしておくとより効果が上がりますので、ぜひご検討ください。(→窓辺の断熱性能参照)
 
私たちが、おすすめする暖房設備の一つは、ペレットストーブです。
  

ペレットストーブとは?

▲これが木質燃料のペレット

ペレットストーブは、木質ペレットを燃料とするストーブです。
ペレットというのは、粉状に砕いた木材を1400℃の高温で圧縮して、成形した木質燃料です。
 
固めるのにノリなどは使用していませんので、安全で、空気も汚しません。
高温になり溶け出したリグニンが木くずを固めてくれています。
 
このペレットを燃やして暖を取ります。
暖炉のように燃えている火と、それによって温められた鋳鉄と対流による暖房です。火と鋳鉄部分からの「輻射熱」が身体を芯まで温めてくれます。
また、無垢材との相性が良く、無垢材が温かさを蓄熱してくれて、温かさが長続きしてくれます。
 
ストーブの種類によりますが、ファンから温められた風が出るタイプと、それがないタイプがあります。
 
FF式になっていて、燃えた空気は全て煙突から屋外へ排出されますので、室内の空気に影響はありません。
 

ペレットストーブの特徴

▲ペレットになる前の木くず。一定期間乾燥させます。

①環境への寄与


ペレットストーブの一番の特徴は、燃料が木だということです。
 
再生可能なエネルギーで暖を取ることができますので、持続可能な暮らしの実現に寄与します。

ペレットは木の切れ端から作ることができます。
くりこまでは、極力木材を無駄にすることなく活用する、「カスケード利用」をしています。
 
切り出された丸太から、まず家に使う構造材をはじめとする建材として利用します。その後、家具材として使ったのち、その残りでペレットを製造しています。そうすることで、木を隅々まで使うことができ、販売することができれば、山側の経済的な自立にもつながっていきます。ペレットは、合板にしたり、紙パルプにするよりは採算性が高いので、街側でこれを使うようになれば、山を守ることにつながります。
 

②コストと使い勝手


ペレットストーブは、薪ストーブを導入する程の覚悟がなくとも導入ができる設備です。特に都心部で「薪ストーブのように火のある生活をしたいけどハードルが高くてできない」という場合は、ペレットストーブはおすすめです。
 

■イニシャルコスト

まずイニシャルコストが抑えられます。
薪ストーブと本体の価格はそれほど変わりませんが、煙突の費用が違います。
薪ストーブの場合、煙突の費用(50万円~)がかかりますが、ペレットストーブは、屋根の上まで煙突を伸ばす必要がありませんので、外壁から出して2mくらいの立ち上がりがあれば問題ありません。
 
一番定番のさいかい産業「SS-5」は、設置費込みで35万円(税別)で取り付け可能です。
 
また、薪ストーブの場合、近接する壁や天井の仕上げを不燃材にする必要がありますが、ペレットストーブは、熱を持つ部分が前面(シリーズによっては上部も)の鋳鉄だけなので、そのような対応が必要ありません。

 

■ランニングコスト

都心において、ペレットでも薪でも高くつくのは「送料」です。
地方であれば、薪の入手は簡単にでき、費用も安く済むと思います。
都会で薪を手に入れるのは、なかなか大変ですし、置いておく場所をつくるのも大変ですね。
 
ペレットもやはり近所で生産されているものを利用できるのが一番良いです。
都会ではそうはいかないので、より近い生産地から取り寄せると良いと思います。薪よりは体積を必要としないので、置く場所も確保しやすいかと思います。
 
ペレットのコストは、送料なしであれば600円~800円/10kgくらいですが、送料が入ると1000円(/1袋)以上になることが多いと思います。基本まとめて買い、送料負担をより少なくするようにしているところがほとんどです。
 
ペレット販売店一覧
http://www.saikai-sangyo.com/pellet_factory.asp
 
以前、私たちで、「ペレットはがき」という仕組みを作り、必要な時にはがきを送れば、一袋からでも栗駒から送ってもらえるという仕組みを作っていたのですが、数年で送料が倍以上に増え、一袋900円/20kgのペレットが、送料を入れると2700円くらいにまでなってしまうので、この仕組みをやめざるを得なくなったことがあります。
できれば、くりこまのペレットを買ってほしいですが、都内では高くなってしまうので、今はご近所のペレットを選んでもらっています。
 
「ランニングコストはどれくらいになりますか?」と聞かれることがあります。
そのときは、「灯油と同じくらいです」とお伝えしています。
 
実際にどれくらいかかるかは、使い方によって違いますが、ペレットストーブをお使いのお客様のお話ですと、お仕事で一日中炊いている場合は、20kg袋が2~3日でなくなるそうです。ただ、ストーブを消した後も温かいので、朝夕3時間ずつくらいで一日温かいという話も聞きます。そのように使えば、20kg袋が1週間以上持つ場合もあるとのことでした。

 

■メンテナンス

ペレットストーブは燃焼効率は高く、灰があまり残りません。
真冬でも1週間に一度、炉内の灰を掃除してあげる程度で大丈夫です。
 
年に一度のメンテナンスも煙突が短いので、ご自身ですることもできます。
もちろん、業者に頼めばより安心です。

 

③煙がほぼ出ません


煙がほぼ出ないので、住宅密集地でも設置することができます。
着火時に若干の煙が出ますが、炉内が温まり、安定すると煙は透明になり、近所迷惑になることもほぼありません。
ただ、木が燃える匂いはするので、ごくまれに、近隣からその匂いについて指摘されることはあります。煙の流れる方向には注意が必要ですね。
 

おすすめのペレットストーブは?

私たちはペレットストーブを提案する際には、国産のさいかい産業のペレットストーブをおすすめすることが多いです。

▲さいかい産業 ペレットストーブ RS-4

 
ペレットストーブの本場はイタリアなどヨーロッパです。
イタリア製のストーブはデザイン性に優れています。また、自動着火機能やタイマー機能があるので、使い勝手は良く、便利です。
ただ、ヨーロッパでは、その歴史が長い分ペレットの規格が決まっており、日本でつくるペレットがその規格に合わないと、ストーブに不具合が生じる可能性があります。
 
さいかい産業のペレットストーブをおすすめする理由は、いくつかあります。

・本体の価格が低く抑えられていることがあります。
・燃焼効率が高く、燃料が比較的少なくすみ、灰の量も少なくなります。
・国産なので、部品などの交換がスムーズです。
・国産ペレットストーブの中では、歴史は長く、ノウハウがあり、性能やフォロー体制が安定しています。
・自動着火、タイマー機能がないのは少し不便ですが、その分故障しにくくなるので、メリットとデメリットの裏返しです。

また何より、さいかい産業をおすすめする理由は、「森を守る」というところで理念を共にしていると感じるからです。ぜひサイトTOPの動画をご覧ください。
 

まとめ

ペレットストーブは、イニシャルコストはかかります。ランニングコストも決して安くはありません。メンテナンスも必要です。ただ、都会で火のある暮らしをしたいと考えたときには、ハードルはそれほど高くはありません。
 
また、木質燃料を使って暖を取ることは環境への負荷がありません。むしろ山を守ることにつながっていきます。灯油のような化石燃料の使用は、できる限り少なくしていきたい。電気は熱を生むのが得意ではないので、熱を生むのに電気で使おうとするのは非効率です。
 
そう考えたときに、ペレットストーブは未来を見据えた選択肢として、良い選択ではないかと思います。
 

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