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スギはやっぱり屋外だと劣化する|田中優コラム #205

 我が家も同じ天然住宅仕様の住宅だから、他の建主様の住まいと同じように劣化していく部分がある。屋外のスギだ。スギは紫外線や雨風にさらされてだんだんと痩せていき、ウッドデッキなどは無塗装の場合、10年も経てば劣化が目立つようになる(環境の違いによる個体差はある)。
 
 梅雨時期になると、なんとキノコのような菌類によって腐敗していくこともある。そのせいかどうかわからないが、我が家の子は足の裏に断片が刺さり、外科に行って取り除いてもらったことがある。刺抜きでは届かないほど長い破片が刺さったのだ。
 
 室内に使われているスギの材は全くそんなことはなく、今なお艶やかな色を保っているというのに。家人はもう気づきもしないが、訪れる人は今なお、木の匂いがするという。スギは本来はとても心地良い材なのだ。一方、10年近く経った我が家のデッキ材は、風雨にさらされ、とても苦しそうだった。
 
 だから建築士によっては屋外にスギを用いない人もいる。ヒノキなどの方が、水分にはずっと強いからだ。それもいいと思うが、せっかく利用したスギの木なのだから、そのまま使う方法はないものだろうか。
 
 そう思って見つけたのがドイツ製の「オスモ社」の「カントカラープラス」だった。
https://osmo-edel.jp/product/osmocolor/
ぼくとしては経年変化も味なので、そのままでいいと思っていたのだが、子どもの怪我と奥さんの要望で実際に使うことになった。その結果がこれだ。
 


 写真1は塗ったものと塗る前のものを並べて写したもの、写真2は塗る前のものを接写したもの、写真3は塗った後のものを接写したものだ。塗ってからは木材も傷まなくなった。しかしそれ以前からの傷みを回復するものではないので、もっと早い時期に塗ればよかったと思う。
 
 オスモ社のホームページにはこんな一文がある。
 

環境にやさしいということ(サステナビリティ)は人だけではなく、環境への配慮も塗料に求められる重要な課題です。ひまわり油が採れるひまわりに代表される植物は、栽培によって再生にそれほど手間のかからない環境持続性のある原料です。さらに、植物は成長過程において、地球温暖化の原因となる二酸化炭素を吸収します。また、植物油からできたオスモカラーは合成樹脂塗料と違ってマイクロプラスチックゴミの原因になりません。これらの環境に対する取り組みは独オスモ社のISO14001の継続取得によって証明されています。

  
 確かに臭いもなく、特に有害な感触もなかった。
そして文章には「屋外の古くなった木の塗装に最適です」とある。塗ってからはまだ一年だが、確かに菌類の侵入もなくなっている。
 
 樹種によっては雨に強い樹種もあるのだが、価格が高くなくて美しい材としてスギを使うのであれば、こうした塗料を使うのがいいかもしれない。我が家ではこれが気に入ったので、これから玄関脇の無垢材にも使おうと思っている。
 
 しかし再度強調しておきたいが、室内の床も柱も未だに艶やかに使えている。風雨に当たる屋外の木材だけが劣化しているのだ。そこだけ塗れば十分だと思う。
 

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