天然住宅はホコリが少ない?
これが不思議な点なのだ。天然住宅に住んでいる人たちの多くが、ホコリに悩まされなくなったという。確かに我が家でも、部屋のあちこちにホコリが降り積もって溜まるということがない。そこでホコリの発生原因を調べてみると、そのほとんどが洋服や布団、紙類などの屑だという。天然住宅に住んでいる人には確かにモノの少ないご家庭が多いが、それでも服や布団はあるのだから、これほどの差になるとは思えない。では一体何の違いなのか。考え始めると不思議でしょうがなくなってくる。そこでいろいろ考えてみた。
スギの効果
まず第一に部屋がスギの板張り、しかもウレタン塗装などしない無塗装の床が多く、しかも国産のスギを普通の家の二、三倍使っている。このスギという素材が、室内にいるダニを三日で殺してしまうほどの殺菌力を持っている。ただし天然住宅のような「低温乾燥」や「天然乾燥」、しかも無塗装でないと、スギの殺菌能力を失わせてしまう。だから普通の家のスギ材とは違うのだ。
家は建てた最初からダニはいられない状態だから、ダニが繁殖してホコリになるという部分がないのかもしれない。また、カビが生えにくいのもスギ材を使った場合の特徴で、食品庫をスギで作ると食品が長持ちして腐敗しにくくなる。だからカビの胞子の数も少ないからホコリが減るのかもしれない。我が家も天井を含めスギの現し(アラワシ、表面に出ている作り)になっている。ホコリの出ない素材だ。壁は漆喰で塗っているが、腰の高さまでの「腰板」がスギとヒバで貼ってある。確かにホコリになるような素材はない。
でも最大原因と言われる服や布団はあるのだから、それが理由とも思えない。最近布団を買い替えて、すべて「アレルガード」というダニの入れない素材の外装に、中綿は「エンドレスファイバー」というホコリの少ないものにした。しかしそれ以前からホコリが少ないのだ。
▲腰板張り
静電気の発生個所
外からのホコリはどうだろうか。もともと森に囲まれているような場所だから、外からのホコリは少なそうだ。しかしもっと大きな理由を見つけた。
もともと天然住宅は「化学物質過敏症対応」としてではなく、「化学物質過敏症」にならない家の造りをしている。ホルムアルデヒドのような有害化学物質を一切入れず、99%安全な素材だけを吟味して家を建てている。それと同時に「電磁波過敏症」にならないように、家の中の電磁波を最小限にするようにしている。
外の外壁にはガルバリウムを使い、その壁はアースしている。すると抜けられなかった電磁波はアースを通じて地中に抜けていくのだ。おかげでその室内では携帯電話の電波が極めて弱くなり、テレビの電波は入らなくなる。さらに基礎コンクリートに使われている鉄筋にもアースを施し、勝手に通り抜ける「誘導電流」もアースしている。室内のコンセントにも可能な限りアースをつけ、しかも電線コードも最短距離しか配線しないようにしている。我が家はさらに、リモコンと人感センサーを用いてスイッチのための配線もなくしてしまった。
そう、このせいではないかと思うのだ。ホコリを呼び寄せる静電気の発生個所が少ないのだ。テレビの裏のようにホコリを集める箇所が少ないのだ。天然住宅では電磁波対策しているだけだが、思いがけずホコリを招かなくなっているのではないかと思う。正しいかどうかはわからないけれど、自分としてはそれならと納得できるのだ。
▲アースコンセント