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押しの弱さ|田中優コラム #220


最近、営業していてお客様に天然住宅の良さを褒められたという。なんとそれが「押しの弱さ」だった。普通の営業というのは「押しの強さ」が大事だと言われるだろう。ところが天然住宅の営業は「押しの弱さ」がいいのだそうだ。
 
また別のお客様は不動産会社に「天然素材で家を建てたいのですが」と言った途端、鼻で笑われたという。もし「天然住宅は天然素材しか使わない」と言ったら、「そんなの非現実的だ」と怒られてしまうだろう。ベニヤ板や接着剤で建てた家が普通だから、それらを使わないと言ったら「家は建たない」と断言されそうだ。「いや、それでも長持ちする家が建つんですよ」とはとても強く言えないだろう。

最近見ていて面白かったのがヤマピーが主演していた「正直不動産」というドラマだった。調子の良い嘘つきの不動産営業マンだったヤマピーが、間違って土地にあった祠を壊してしまう。以来ヤマピーが調子よく嘘を言おうとするとビューと風が吹いてきて、言いたくもない本当のことを話してしまう。トップ営業マンだったヤマピーは成績が下がって、住んでいたタワーマンションにも住めなくなるし、愛人たちとの関係も悪くなる。祠に閉じ込められていたのは、嘘をつくことのできない魔物だった。ところが「ぼく嘘をつけないんです」という営業マンが嘘のつけないまま復活していく。
 

なんだか天然住宅のメンバーのような話だ。天然住宅スタッフはそれに加えて「押しが弱い」のだ。相手の希望ばかり聞いて、それに添えるコストとのバランスで提案する。ただし身体に悪影響を及ぼす素材は使うことはできない。そんな中でよくやっていると思う。

人の好さだけは人一倍だが、もちろん当然、テレビドラマ同様にバカ売れはしない。天然住宅の良さに気づいて集まってくれる人にしか通用しない。ぼくは創業者だが、それで仕方ないと思っている。カネ儲けではなく、「つながり」を大切にしたい。その中で長続きする事業であれば良いと思う。

押しの強さ、弱さってなんだろう。もし「押しの強さ」が販売の業績につながり、それが嘘を前提にするのなら、存続する必要はない。納得してもらって、しかも住み始めてから喜ばれる会社でいたい。
 

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