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「オフグリッド」ってなんだ? 〜実践編〜


オフグリッドをはじめる時に必要な品は、太陽光発電パネル充電コントローラー、そしてバッテリーインバーターだ。

太陽光発電パネルは、なるべく薄日の日にも発電できるものを選ぶといい。

設置する地域の年間日照時間もあらかじめ調べたほうがいいだろう。

例えばぼくの住む岡山は、「晴れの国、岡山」と宣伝するだけあって年間の降水時間が少なくて、太陽が出ている日が多い、よく発電する地域だ。

オフグリッドのシステムは、バラバラに組み立てると前述の4種の神器を組み合わせることになるが、慧通信技術工業(以下、慧通信)では、充電コントローラーとバッテリー、インバーターをまとめた機能を有する製品をつくっている。それが我が家に入れているパーソナルエナジーだ。

 さらに最近では、太陽光発電パネルと、電気をコントロールする装備を一番良い組み合わせでセットし、お湯の自給もヒートポンプ方式で同時に行うエコワンソーラーというものもできている。

 
似たような名前で、仕組みが違う製品がいくつかあるので、各給湯機メーカーから出ているシステムについて簡単におさらいしよう。

エコキュートお日様エコキュートエコワンエコワンソーラーと、紛らわしいネーミングの製品が次々にできている。これらは全く違う代物なので、混乱せずに覚えてほしい。

エコキュート・・深夜の余剰電力を使い、深夜電力の電気でお湯を作る仕組み。オール電化の家などに導入されている。

おひさまエコキュート・・太陽光発電パネルからの電気を使って効率の良い時間帯に電気を使ってお湯を作る仕組み。

エコワン・・ガスと電気を使ってお湯を作り貯湯して使う仕組み。電気はヒートポンプ式で、ガスと組み合わせて効率良くお湯を作ることができる。

エコワンソーラー・・太陽光発電パネルからの電気を使いお湯を作る仕組み。2000Whまでバックアップ(蓄電)できる。エコワンに加え、水温と時間帯を加味してお湯を沸かすのでさらに効率的に給湯できる。

これらは名前は似ているが全く違う。

この中で慧通信が関わっているのが、おひさまエコキュートエコワンソーラーだ。

ただしおひさまエコキュートは、電気とガスの節約になるがオフグリッドはできない。エコワンソーラーも、住宅の一部(冷蔵庫やトイレの電源など)はオフグリッドできるものの、「完全オフグリッド」はほぼ困難だ。(トイレに暖房便座を利用していた場合には足りなくなる可能性があるので要注意。熱に電気を使うのは効率が悪いため)

ここでエコキュートについて補足する。

従来の電力会社の薦めるエコキュートは、もともと電気消費の少ない夜間になっても弱火にできない原子力発電所の電気を有効利用しようとしてつくられた仕組みだ。発電しても使われない夜間に、なんとか電気を消費させるための方法として考案されたのがエコキュートと価格の割安な深夜電力だったから、合理性(効率)は必要ない。今や深夜電力の価格も上がっているのでどこにメリットがあるのかわからない。真夜中の冷たい水を冷たい外気から集熱して高い温度まで温めて(ヒートポンプで90℃近くまで温める)、しかも多くの世帯でお湯をメインに使うのは夕方なので、温めたあと数時間後の給湯時には40℃程度の温度に温めなおして使うことになる。冷たい水と冷たい外気がダブルで効率を低下させ、さらに温度が高すぎる温水を翌日夜まで冷ましてから使うのだから、トリプルで効率を低下させる。

ところが「慧通信」のものは、まず暖かい日中に温められた水温を活かし、太陽光パネルで発電したばかりの電気を使って、湯船に入る少し前の時間に「ヒートポンプ」でタンクの水を適温まで温める。水も外気も電気も、最も効率良い仕組みで作るのだから、効率が何重にも良い。

その上、エコワンソーラーの設置は、現地調査の上、直接リンナイ施工店が行い、購入してから「10年間無償修理制度」が適用される。効率と安心でいえば、この上ない選択だ。
 

オフグリッドを考えるときに鍵になるバッテリーだが、これはまだ開発途上の段階といってよいだろう。価格が高いことに加えて寿命もあるし、リサイクルできるかどうかの問題もある。リチウムイオンバッテリーは「オリビン型リン酸鉄リチウムイオン電池」以外は、爆発性の問題もある。また、現状ではリサイクルが困難な品だ。再生して使うには「リチウムイオン」の素材自体が安すぎて、採算性の見込みが立たないのだ。

だから、長寿なものを選んで使うしかない。慧通信が採用している「オリビン型リン酸鉄リチウムイオン電池」はその点優れている。

https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/1909/03/news054.html

結論として「完全オフグリッド」を目指すなら 我が家でも使っている慧通信の「パーソナルエナジー」が一番おすすめだ。

https://re-energy.co.jp/offgrid/personal/

もう一つ「プレオフグリッド」を採用するのも一案だ。とにかく電気代が高いので安くしたいなら、まず家中のエネルギー消費の中で「電気を熱に」消費してないかどうかを確かめた方がいい。それが一番の「金食い虫」だからだ。

家電の電気消費の多いものでは、冷蔵庫は10年以上前から省エネされたものになっているので古ければ調べて買い替えした方がいい。第2位が照明なので、可能ならLEDを使いたい。エアコンもまた省エネが進んでいるので古い製品かどうかをよく見ておこう。テレビも同様だ。できれば許容できる限り、なるべく小さな画面の方がいい。

こうして省エネするとともに、電気料金の料金体系を理解しておこう。電気料金は消費が少ないうちは安いのだが、使うにつれて高くなる仕組みになっている。「プレオフグリッド」から、「完全オフグリッド」を目指すなら、月の消費量を120Kwhまでに抑えた方がいい。するとずっと電気料金が安くなり、「完全オフグリッド」を実現しやすくなる。1か月120Kwhの量があれば、「エコワンソーラー」の蓄電量でも暮らせる可能性はある。

このような素晴らしい技術を開発した慧通信技術工業の粟田さんとは、天然住宅は10年以上の付き合いがあるのだ。ここまで進化させてくれたのは全くありがたい。「オフグリッド」は慧通信の登録商標ともなっているが、それは彼の決意の表れそのものなのだ。

森を守るための木材利用と同じように、慧通信技術工業のオフグリッドに賭ける思いをぼくは応援したい。私たちが独立して生きるための第一歩として、オフグリッドがあるのだ。

 

 

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