
こんにちは、スタッフの井上です。
先日、多摩地区で上棟を迎えました。
当日は雲ひとつない快晴!
青い空に木材が映えます。

棟梁は下社(しもやしろ)さん。
仲間の大工たちが朝早くから応援に駆けつけてくれました。

次々と、木材がクレーン車によって運びこまれていきます。

個人的に、こういう光景を見るのが好きです。
クレーン車を巧みに操る運転士さんがカッコいいという理由もありますが、家を建てるための「準備の場面」を目にすることで、この家を建てるために動いている(動いてきた)人たちの存在に思いを馳せることができるからです。
「あたりまえのことなんてないよな」という気持ちになります。

クレーン車を使いながらも、木材を手で運ぶ場面もたくさんあります。
大きな木材を一本ずつ運ぶのはかなりの重労働。でも大工たちは軽々と担ぎ上げ、足場が不安定な場所でも地上にいるかのような速さで作業を進めていきます。
彼らを見ていると、大工に求められるのは技術力以上に体力や持久力なのかも、と思えてきます。

柱が立ち、家の輪郭が浮かび上がってくると、「本当に家が建つんだ!」とワクワクしてきます。
ひとつひとつの部材が「家」へと変わっていく、その過程を丸ごと見られるのは、上棟に立ち会う醍醐味ですね。

天然住宅の家、長持ちの秘訣
ここからは、天然住宅の家が長持ちする秘訣をご紹介します。
1つ目は固練りの基礎コンクリート。
家を支える基礎は、地面と建物をつなぐ重要な役割を担います。
天然住宅では、水セメント比50%以下のコンクリートを打ちます。
一般的な基礎の寿命が約50年なのに対し、計算上は300年もの耐久性があります。
時折「一体何を建てるんですか?」と驚かれるほど、しっかりとした基礎が建物を支えます。

2つ目は、白蟻に強い土台です。
天然住宅では、ヒノキやヒバといった、白蟻が苦手なヒノキチオールを含む木材を土台に使用します。抗菌効果が高く、腐りにくい特長があります。
今回は、兵庫県丹波市のサウンドウッズさんに供給していただいたヒバ材を使用しました。

3つ目は基礎パッキン。
基礎コンクリートと土台の間に挟むことで、床下の通気を行い、土台の腐食を防ぐ役割があります。
天然住宅では、樹脂製ではなく、耐久性の高い鋼板製を採用しています。

4つ目は低温乾燥した木材。
120℃以上の高温乾燥が主流ですが、天然住宅は60℃以下の低温乾燥材を使用します。
低温乾燥すると木の細胞が壊れません。精油成分が残り、木が持つしなやかさや粘り強さ、強度を保つことができます。
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長持ちする家のこだわりはまだまだありますが、今回はこのへんで。

上棟中、近隣の方から「いい匂いがしますね!」と声をかけていただきました。
家に使用する木材は、壁の中に隠れる下地もすべて無垢材。一棟で約200本使います。
家全体がまるで小さな森のようです。
爽やかでありながらリラックスできる木の香り。早くここで建主様に深呼吸していただきたいです。

この日は、久しぶりに下社さんと雑談もできました。
「井上さん、ラジオ聴いてるよ」と言われてびっくり。
普段会う機会が少ない分、ちょっとしたコミュニケーションが嬉しいんですよね。

建主様も見学に来てくださいました。
10年以上前から天然住宅のことを知ってくださっていたとのこと。
決め手のひとつに、相談のしやすさがあったと教えてくださいました。
無事に上棟し、これから大工工事が進んでいきます。
完成は来年1月の予定。どうぞ楽しみにしていてください!