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【設計士の日々】完了検査・設計検査編

こんにちは、設計の神山です。

前回ご紹介した国立の住宅がついに完成し、先日建主様に無事にお引き渡しをしました。
今回は、その前に行われた完了検査と設計検査について書きたいと思います。

完了検査とは


完了検査は、建築工事が完了した際に、特定行政庁や指定確認検査機関に申請し、確認申請通りに建築されているかを確認するものです。

この検査に合格すると「検査済証」が交付され、建物を正式に使用することができます。

社外の検査員の方に見ていただくため、現場にはぴりりとした緊張感が漂いますが、今回も無事に検査を終えることができました。

設計検査とは?


設計検査は、設計図通りに施工されているかを設計者が確認する社内検査です。

チェックリストをもとに、傷や汚れがないか、扉はスムーズに開閉するか、設備が図面通りに設置され正常に作動するかなどを確認します。
 
天井から床まで隅々見回していくと、各所の仕上がりに惚れ惚れします。
図面では表現しきれない細かな納まりは、現場監督や職人さんたちが綺麗に作るにはどうしたらよいか思考を凝らし、仕上げてくださった賜物です。

納まりに見る職人技


例えば、玄関に入ってすぐ目に留まる、上がり框のトメ加工。
トメ加工とは、90度にぶつかり合う部材同士を45度の斜めにカットして貼り合わせる加工のこと。

その仕上がりは綺麗なだけでなく、さらに部材の角が少し落とされて滑らかに面取りされています。思わず指でなぞり触ってしまいました。

また、パントリーのアール型の開口も見どころの一つです。

大工さんが丁寧に作った木下地に、左官職人が美しい塗り壁を仕上げています。

彼らは塗る場所に合わせて色々な形のコテを使いこなします。中にはバターナイフを加工して、独自のコテを作っている方も…!

さらに、階段の踊り場では、巾木・階段のささら桁・踏板・蹴込み板・手摺の縦枠…と、様々な部材が集結する部分がありました。

三次元で検討していく必要があるので、どの部材がどうぶつかるか考えるのも複雑ですが、ちり(部材の取り合いに小さく段差をつけること)をとって違和感なくすっきりと仕上げてあります。現場で計算しながら納めてくれたのだと思うと頭が下がる思いです。

「標準仕様図」と現場のフィードバック


天然住宅は、各物件の図面とは別に、こういった基本的な納まりなどをまとめた「標準仕様図」という図面があります。

設計や施工のルールを統一し、建築物の品質・性能の確保、設計図書の作成や施工の効率化を図ることができます。

標準仕様図は日々ブラッシュアップしていく必要があるので、現場を見てフィードバックを得ることはとても大事です。

現場にとどまらず、外出先や自宅でも、あそこはどう納まっているのかと気になってまじまじと見てしまいがちです。職業病ですね。

初めての新築物件で感じたこと


入社して初めて携わった新築物件が無事に完工しました。
様々な職人さんがバトンをつなぐように施工を進めていく情景を思い返し、多くの関係者の方々との連携によって、初めて家づくりは成り立つのだと改めて実感した一日でした。

これから家を建てられる方はもちろん、すでに天然住宅で暮らしている方も、ぜひお住まいの細部に目を向けてみてください。新たなお気に入りの納まりを見つけられるかもしれません。
そんな発見が、家への愛おしさをさらに深めるきっかけになったら嬉しいです。


 

  

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