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電力自由化を契機に節電を|田中優コラム #33

電力自由化と脱原発



自由化後の各社の電気料金が安くなるのは、ほとんど「電気浪費者」だけだと述べたが、本来の電気を選ぶ目的は値段ではなく脱原発を選びたいという動機にあったはずだ。しかし人々が押しなべて貧しくなっていくご時世、価格に左右されるのも致し方ないことかもしれない。当初の目的を忘れて安 い電気を求める人を、一概に責めることもできない。そこで経済性と脱原発の両立できるアイデアを提示しよう。

それが節電だ。前回紹介した「セーブ90」なら寒冷地の水道管の凍結防止装置の電気消費を9割減らすことができる。しかも価格は楽天で3000円しない。冬場はガス代も大きくなるので日の当たる土地があるなら太陽温水器も効果的だ。

我が家に入れた「サントップ」という太陽温水器は非常に高効率であるのに、価格は工事費込みで30万円ほどだった(※地域・業者により差があります)。これを使うとガス代が半分以下に下がるので、我が家では7年程度で元が取れる。冷蔵庫、照明器具、 テレビ、エアコンと省エネ家電に変えていったなら、電気料金は3分の1程度まで下げることができる。

新電力の謳い文句



標準的な家庭の電気消費量は、自由化される前まで月290kWh程度と言われていた。なぜなら電力会社の電気料金は月300kWhを超えると単価が高くなるので、それ以内を基準として単価を安く表示していたのだ。ところが今回自由化に際して、他の新電力会社は「月700kWh使う場合にはこんなに安くなる」と宣伝している。多くの人は自宅の電気消費量を知らないので、こうした宣伝に惑わされるのだ。

浪費世帯を除いた「40A契約月300kWh」の家庭が、3分の1の「30A契約月100kWh」しか使わなくなれば、電気料金は8119円か ら2785円まで下がるのだ。その差5334円/月、どんな新電力を選ぶよりも安くなる。もちろん東電をやめたい人は、「東燃ゼネラル石油」にすればさらに83円安くなる。要は価格で選ぶなら省エネ節電の方がお得だということだ。

省エネはオフグリッドへの第一歩



さらに天然住宅バンクでは、これに融資したいと思っている。たとえば「太陽温水器30万円+省エネ冷蔵庫9万円+省エネ照明器具11万円+エアコン13万円+省エネ暖房便座4万円」などを任意に組み合わせて、それに7年返済の融資をつけたとしよう。そうすると毎月安くなった分の電気代・ガス代分を支払うだけで、イニシャルコストなしに入手することができる。

天然住宅バンクに加入するには組合員になるための出資が必要で、融資額の1割は出資していないとならない。けど金利は単利固定の2%だから他よりもずっと低い。こうして省エネの癖がつけば、その後にオフグリッドするときにも安くできる。バッテリーが少なくて済むからだ。もちろんオフグリッド装置にも融資できるからその後も見通せる。どうだろうか、電力自由化を節電で乗り切ってみては。

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