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天然住宅バンク出資のお願い|田中優コラム

融資額に出資額が追い付かなくなった




「おめでとう」と言うべきか、それとも「大変だ」と言うべきか、ついに天然住宅バンクの出資金を超える融資申し込みが来てしまった。なにしろ天然住宅の融資は住宅に対する融資だから、融資金額の規模が大きい。

特に多額になってしまうのが「住宅のつなぎ融資」だ。銀行が住宅ローンを承認する。ローンが下りることは確定しているのだから、最初から融資すればいいのに、銀行からの融資実行は、建物全体が引き渡されてからになるものが多い。本人が多額の頭金を持っていればいいが、そうでなければせっかくローンが承認されたというのに家が建てられない。しかも建売住宅ではないので、支払いは建築時の最初に三分の一、途中の追加が三分の一、引き渡し時に残りの三分の一の支払いとなる。するとローンが開始される前に建物価格の三分の二を支払わなければならないのだ。この住宅ローンが承認されていて、その間の融資をするものを「つなぎ融資」と呼んでいる。仮に建物が2400万円だとすると、つながなければならない資金は三分の二、つまり1600万円-頭金、という多額の融資になる。

これが重なったことから、今回天然住宅バンクの出資金が足りなくなった。6,354万円もの出資金を集めているというのに、資金が不足したのだ。

天然住宅バンクを立ち上げたときに、未来バンクの姉妹団体のようにして立ち上げたこともあって、未来バンクは天然住宅バンクの出資額が不足する場合には、最大2000万円までの協調して出資できる仕組みを作っていた。つまり天然住宅バンクが資金不足に陥った場合には、未来バンクから最大で2000万円までの出資をすることができるようにしていたのだ。それが今回役に立った。これで間に合うと思いきや、なんと一時的にはまだ100万円程度不足する。

不良債権のないバンク融資



そこで天然住宅バンクへの出資をお願いしたいのだ。天然住宅バンクの経営状況だが、以下のようになっいる。

天然住宅バンクは2008年7月1日に設立し、2016年6月30日現在、組合員が212名、出資金は63,540,464円に達している。理事は定員7人に対して7人が就任し、監事は定員1人に対して1人が就任している。

これまで融資した中で、貸し倒れや返済の遅れはない。融資先は「エコラの森」と呼ばれる栗駒木材の所有する森の取得費用の借り換え、電力自給のための設備融資、他はすべて住宅取得費用に対する融資だ。決算時で26,737,024円の融資をしていた。出資金残高は3,600万円ほどあったのだが、大きな「つなぎ融資」の依頼が決算後にあったために一時的に出資金が足りなくなったのだ。

しかし融資が実現できないと、実際に家が建たなくなる。天然住宅バンクが存在しなければ、あきらめなければならない状態に陥っただろう。

未来のために出資してほしい



私たちは長く使えて健康を害する化学物質を排除した家を届けたい。しかも他では実現できない価格で、森を世話してくれる人や伝統的な技術を持つ大工さんたちを犠牲にせずに届けたいのだ。

さらに電気やインフラを自給できる家を目指して、最終的にはおカネに頼らなくても生活できる家に進めていきたい。幸い、天然住宅バンクがあるおかげで、銀行だけだったら断念しなければならない家も建てられ、しかも相互の信頼で低利の融資を実現し、貸し倒れもなく実現できている。これが標準になるような社会にするために、ぜひ天然住宅バンクに出資してほしい。それは必ず未来を明るくすると思うのだ。

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