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ガーデンパーティー|田中優コラム #76

都心から離れて



都会は土地の値段が高すぎて、高所得者でなければ住むのが困難になった。そんな中で永遠に自分の住まいにならない賃貸に暮らすのもいいが、残念ながら健康的で安全な家はほとんどない。天然住宅で建てたアバートもあるが、土地価格の高さからどうしても家賃も高くなる。なら少し都会から離れた場所ならどうだろう。いつも引き合いに出して申し訳ないけれど、年収が300万円台の人が天然住宅を建てて住んでいる。ただし都心からは離れている。

でも素晴らしい土地で、広い南側の土地に大きな庭を持ち、天然住宅の規格型のコンパクトな住まいに暮らしている。そんな暮らし方がとてもいいと思う。

我が家でガーデンパーティ



かく言う我が家もコンパクトだ。160坪もある土地なのに、建坪では13坪の家を建てたから、やたら余裕がある。先日は「ガーデンパーティー」と名付けたバーベキューが開かれた。なんと子どもを含めて実に60人近くの人たちが庭に集った。家の北側でバーベキューを焼き、南側で食材を並べてさらに子どもの遊ぶプールを置き、庭に置いたウッドデッキで食べながら過ごす。女性たちはいつの間にか家の中に消えて、なんだか面白そうな女子会を開いている。二階に上った子どもたちは玩具で遊んでいる。

朝10時過ぎから始めて終わりを伸ばして夕方に片づけ始める。「みんな酔っていなかったの?」と思うほどテキパキと片付け、すっかり跡はきれいになった。ぼくはこうやって多くの人と過ごすのが好きだ。

和気への転入者



最近岡山県和気町に転入してきた人たちを中心に、地元の素敵な人たちが参加してくれている。転入者を迎えようと町役場にセクションを提案して、自分自ら担当者になってくれた飯豊さんが発起人だ。この人に頼めば、町を車で案内して空き家を探し、場合によっては仕事先すら紹介してくれることすらある。とにかく善人なのだ。おかげで和気町は、転入者の伸びが30年ぶりに増加するという快挙を成し遂げている。

でもここに転入しただけでは楽しくならないから、春夏秋冬シーズンごとにパーティーを開くという。その会場のひとつが我が家なのだ。こんな楽しみ方は東京に住んでいるときにはしたことがない。公園じゃなくて誰かの家の庭だから気兼ねがない。ぼくの感想は「あー、楽しかった」という感じだ。

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