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子どもの異変|田中優コラム #97

学校で指導を必要とする児童数の変化




まずは図を見てほしい。これはれっきとした文科省の作ったグラフだ。ものすごく数が増えているのが「学校で指導を必要とする児童数の変化」だ。色別になっているが、上から順にADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)、自閉症、情緒障害、難聴その他、言語障害となっている。この中で激増しているのが「ADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)、自閉症、情緒障害」で、「難聴その他、言語障害」の子どもたちはほとんど増えていない。「要指導児童」全体は平成12年(西暦で2000年)少し前から増えていて、「ADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)、自閉症、情緒障害」などが激増しているのが平成16年(西暦2003年)頃からとなっている。

自閉症の原因



この中に自閉症があるが、以前は脳に傷があるというような「器質性」の疾患だと思われていた。またそれは母親の育て方に問題があるというような「母源病」とも言われていたが、どちらも否定されている。それが増えているのだ。こんな短期間に激増するのは「環境要因」しか考えられない。文化だとしたらもっと長くかかるし、器質性のものは急増したりしない。その環境要因として最もクロに近いものが有害化学物質の影響だ。

ここでネオニコチノイド農薬の出荷量のグラフを示そう。どう思うだろうか。

ネオニコチノイド農薬



今年の夏、松本市で市民が求めた「ネオニコチノイド農薬の空中散布の中止」は、残念ながら市長が断り訴訟になった。松本市長はチェルノブイリで頑張ってくれていた医師なのに、とても残念なことだ。市長でも医師でもない私たちが頑張らなければ、子どもを守ることすらできないという結論になるだろう。

しかもこのネオニコチノイド農薬は家の中にも、そもそもの木材にも使われている。そうでない木材を選ばなければならないのに、製材所・材木屋でそのことを知っている人がいない。もちろん天然住宅は使っていないが、それが当たり前にならないと子どもたちの異変を止められない。こうした事態を知る「親免許」でも作らないと、子どもを育てられなくなりそうだ。

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