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「4パーミルイニシアチブ」|田中優コラム #134

4パーミルイニシアチブ



これはフランスが地球温暖化防止に提唱しているものだ。その原理は極めて簡単だ。

現在、地球全体で人間が経済活動によって大気中に排出している炭素は、年間約100億トンある。
そこから樹木が吸収するなどして約57億トンの二酸化炭素が大気中から除かれ、結果大気中に増えている二酸化炭素は43億トンになる。

この43億トンの二酸化炭素をどこかに確保することができれば、大気中の二酸化炭素は増加しないことになる。

一方、土の中には、1兆5000億~2兆トンの炭素があるとされ、うち表層の30~40センチに約9000億トンの炭素があるとされている。
この9000億トン土壌に確保されている炭素を、年間約0.4%ほど増やすことができれば、43億トンの排出分をほぼ帳消しにできるというわけだ。
つまり農地が0.4%(すなわち4パーミル)増えるだけで、その分の二酸化炭素を減らすことになる、というのだ。

日本の土壌



と言っても、国によって農地の利用の仕方は大きく違う。

日本の土壌は火山の爆発などで造られた粘土層が多く、土壌が若いために炭素の確保量が大きい。さらに多くを占める水田は、水を張っているために、土の中から炭素が奪われることが少ない。日本で言うと、新たに炭素を入れるよりも、土地利用を安易に変えないことが重要なのだ。

それでも都市化や大規模農地化などで、土壌は痛めつけられている。この分だけでも何とかしたい。

そこで炭を利用したい。
フランスの「4パーミルイニシアチブ」は、まさに土地に炭素を再び戻すことで、過去の分は除いて、現在世界中から排出されている二酸化炭素を土壌に戻してしまおうというアイデアなのだ。

これを自分たちでするとしたらどうなるだろうか。
現在、二酸化炭素を日本の一般世帯で毎年2トン排出しているとされる。
だがこれは二酸化炭素の計算なので、炭のような炭素に直して計算してみよう。
0.273を掛けて得られるので。炭素に換算するとわずか「540グラム」になる。
それを土に混ぜるだけでいい。

建物で炭素の貯留




それ以前に、炭素を多く含んでいる木材を使って、長く使える建物を建てたっていい。
それは炭素の貯留になるのだから、天然住宅のような長く使える家を建てて、建てている間だけ炭素を確保してやればいい。

天然住宅の木材は余分なもの含んでいないので、壊すときに炭にしてもいい。
炭は多孔質で、その細かな孔の中にたくさんの微生物を住まわせることができるので、豊かな土造りに貢献するのだ。   

その炭にしてしまう間だけ人間が住まいにしているのだとしたら、人間の住まいだって自然の循環の自然な一つになれる。

これをやりたい。
そうなれば、もう地球温暖化に悩まなくていい。未来のために実現していきたいのだ。

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