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家づくりの豆知識|吹き抜け

こんにちは、設計部の早田です。
 
過去にお客様からいただいたご相談をもとに、家づくり計画に役立つ豆知識をお届けします。
今回のテーマは、「吹き抜け」です。
 
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吹き抜け。なんて魅力的な響きでしょうか。
家を建てるなら、吹き抜けのある家がいい。
そんな風に憧れを抱く方も多いかもしれません。
 
もともと天井高のある大邸宅では、吹き抜けを作ることは当たり前のようになっています。
一方、小規模の家でも、垂直方向に広がりをもたせたり、上部からの明かりをとりいれるために吹き抜けを作ることがあります。
 
メリットがある一方で、もちろんデメリットもありますので、その点も合わせながら検討していただくのが良いと思います。
 

吹き抜けのメリットとデメリットは?


【メリット】
1.空間に広がりをもたせることができる。実際の床面積より広く感じられ、開放感のある家になる。
2.上部からの明かりをとりいれることができ、1階の奥の方まで明るくできる。
3.計画次第では、一台のエアコンや暖房機器で快適な空間づくりが可能となる。
4.趣味の空間として活かせる。
→例えば、大きな絵画が飾れたり、ボルダリングの壁にできたり、ロングサイズのサーフボードを立ててディスプレイ収納ができるetc。

【デメリット】
1.(先ほどのメリットの裏返しになりますが)温熱環境をきちんと計画しないと、冬は冷え冷え、夏は温室のような環境になってしまう恐れがある。
2.上下階の音が筒抜けになる。
→そもそも、2階の音が1階に聞こえてしまうのが嫌な場合、吹き抜けを作るのはおすすめしません。

デメリットの対策は?


冬の場合、1階で暖房をつけても暖気が2階に上がってしまい、1階がなかなか暖まらないという問題が起きます。
それを防ぐためには、火力の大きな暖房機(薪ストーブやペレットストーブなど)を設置し、吹き抜けの天井にシーリングファン等をつけて暖気を調節する方法をとります。
ちなみに、床暖房も吹き抜けに適したシステムです。(特に天然住宅の蓄熱式床暖房はおすすめです)
 
夏の場合、吹き抜けの上に窓をつける場合は、太陽の直射を防ぐことが重要です。特に南側の庇をしっかりと出したほうがいいでしょう。

東と西は(景色がいいなど)特別な理由がなければ、窓は極力小さくしましょう。(東西は太陽高度が低くなるため、庇を出しても直射を防ぐ効果が期待できません)
 
高窓から直接日差しが入る場合は、熱も直接入るので、Low-eガラスの「遮熱タイプ」で少しでも熱量を少なくしてください。
 

シーリングファンは扇風機がわりに使える


規模の小さなお宅でしたら、建物の高いところにエアコンを一台設置し、吹き抜けを介して、シーリングファン(サーキュレーター等)を利用すると、2階だけでなく、1階まで冷やすことが可能になります。
→建物全体が高断熱であること、窓面の断熱性を高めていることが前提です。いずれにしても、平面・断面計画時点から検討する必要があります。
 

杉材の効果


吹き抜けに面している手すりのデザインは、空気を澱ませないためになるべく壁にせず、縦格子にしたほうが良いようです。特におすすめは杉の格子です。
ビニールクロスだと、水蒸気を吸放出してくれないので湿気がこもりやすい状態になりますが、無垢の杉の木だと、吸放出するだけでなくダニを忌避する能力もあります。窓に近い位置でしたら、布団干しもできますね!
 

最後に費用の話を。


坪単価的な発想で考えると、吹き抜けは床がありませんので、その分安くなるかという発想をされる方がいますが、そうではありません。
確かに吹き抜けの面積分の床はなくなるものの、壁(手すり)があり、2階の天井はありますので。
費用とも相談しながら、検討してください。

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