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家づくりの豆知識|防音ルーム

こんにちは、設計部の早田です。
 
過去にお客様からいただいたご相談をもとに、家づくり計画に役立つ豆知識をお届けします。
今回のテーマは、「防音ルーム」について。
 
音楽を生業にされている方はもちろん、ご家族やご近所に気兼ねなく音楽を楽しみたいという理由から、部屋の一部を防音ルームにしたいという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
 
「防音ルーム」=「密閉状態」になりますので、素材選びは特に大切にしたいところです。
天然住宅ならではの、防音ルームの素材の選び方をご紹介しますね。
 

防音に必要なのは、遮音と吸音


 
防音ルームを作るのに必要なのは、遮音対策と吸音対策です。
簡単に説明すると、建物本体の中に、遮音と吸音性能を持った、浮床・浮壁・浮天井で、もうひとつの箱を作るイメージです。
 
ちなみに

遮音とは・・音を反射させることで、音が外へ透過しないようにする方法。遮音対策としては一般的に、コンクリートや鉄、強化石膏ボードの重ね貼りなど、質量の大きい(重い)建材が使われます。

吸音とは・・音を吸収することにより、音が外へ透過したり、音が室内に反射するのを防ぐ方法。一般的に、グラスウールやロックウール、ウレタンフォームなどの建材が使われます。

実は危険だった?!一般的な防音ルーム


 
先ほど、遮音するために必要なものとして、「質量が重い」建材が使われると言いました。
遮音等級にもよりますが、一般的に石膏ボードを3〜4層重ねる方法がとられます。
 
一般的な防音ルームでは、このボードの一部に合板が使われ、そしてボードを重ね合わせる際、ビス止めと併用して酢酸ビニール樹脂系のボンド(化学接着剤)が大量に使われます。
この合板や化学接着剤にはシックハウスの原因とも言われる、ホルムアルデヒド等が含まれており、天然住宅では健康面の配慮から使っていません。

天然住宅が下地材に合板や酢酸ビニル系のボンドを使わない理由。詳しくは こちら>>

 
しかも「使われている」というだけでなく、「量が多い」のも問題です。石膏ボードは壁と天井に使われ、使用する枚数が増えるほど貼り合わせる面積も、2乗3乗と増えますから、結果的に多量の化学接着剤が使われます。内部の仕上げにもビニールクロス等が貼られますから、ここにも化学接着剤が使われますね。

しかも室内は、特別密閉した状態ですので、より揮発性の有害化学物質のリスクを受けることになります。
私からすると、想像するだけでクラクラしてしまいます。
 

天然住宅が作る防音ルームとは?


 
天然住宅で防音ルームを作る際、石膏ボードを貼り合わせるのに不可欠な接着剤は、ニカワという自然素材由来のものを使います。
合板に代わるものとしては、杉パネルと呼ばれる、杉と杉を竹ひごでつないだもの(森林パネル)を使います。
そして吸音材はグラスウールの代わりに羊毛の断熱材(ウールブレス)を利用。
仕上げ材はビニールクロスではなく、布製のクロス。もちろん貼り合わせる際の糊はデンプン由来の自然素材というこだわりです。
 

おそらく、このような安全な素材でつくる防音ルームは国内でも例を見ないのではないでしょうか。
 
このスケッチ画や写真でご紹介した家の主であるN様は、ドラムも演奏できるような防音仕様をのぞまれました。
特にドラムのバスドラムは周波数の低い音の振動があるため、より高い性能が要求されます。しかし、自然素材に置き換えても問題なく施工できました。
 
工事は、防音ルームをはじめとする、音響スペースの専門業者「環境スペースにご協力いただきました。
普段とは違うやり方で、やりづらい部分もあったかもしれませんが、しっかりと対応してくださいました。

他にも防音ルームを作るためには以下のような対応が必要です。

・適切な換気計画を!
→防音ルームから直接外気に給排気する場合は、大げさな消音設備が必要になります。一般住宅規模の場合は、防音ルーム以外の家の中で給排気させます。事前の計画が大切です。
 
・エアコン計画
→断熱性が極めて高く、室内の発熱(人体、機械等)がこもりますので、夏はエアコン使用が必須です。ただ、少しのエネルギーで冷たくなります。
 
・窓を作る場合は、サッシを三重に!
 
などなど。

  
安全な素材での防音ルームづくり、興味のある方はお気軽にご相談ください。
 

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防音ルームの施工例写真は こちら>>


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