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「中古のリーフバッテリー」での生活|田中優コラム #190

 我が家の電気自給のために、「太陽光発電と中古のリーフバッテリー」を追加導入した話はした。今回はその後の話だ。これを書いているのは梅雨の時期だがどうしているかというと、蓄電した電気だけで十分な余裕がある。余裕があるどころか2セットある「太陽光発電と蓄電池」の1セットは全く動かしていない。
 

 調子に乗った我が家では、梅雨で湿気の多い時期にはエアコンで除湿し、熱い夜にはエアコンをかけて寝ている。しかし朝になってもさほどバッテリーは減っていない。これは岡山県という地域のせいではないかと調べてみた。日照時間で言うと全国で14位、上位の山梨や高知と比べると日照時間は短い。しかし「降水量が1ミリ以下の日数」では、それらの地域を抜いて全国第一位なのだ。岡山県が「晴れの国おかやま」と言うだけのことはある。北には中国山地があり、南は四国山地に遮られて、雨の日が少ないのだ。
 

 これが晴れた日なら、一日かからずにバッテリーは満タンになるまで蓄電する。しかし問題なのは雨の日、そして照度の低い曇りの日なのだ。ところが我が家の太陽光パネルは、低照度の日にもよく発電するという謳い文句の「Qセルズ」と、パナソニック(旧サンヨー)の「HIT」のパネルなのだ。これが低照度の日にもよく発電してくれていて、まったく困らない状態にしてくれているのだ。
 

 中古の「リーフ」のバッテリーだが、これも予想以上によく頑張ってくれている。リチウムイオンバッテリーは満タンと空っぽの状態になること(これを1サイクルという)が寿命を短くする原因になるので、最初から20%~80%の間で充放電するように設定している。生活の中で電気を使用し、蓄電量が減ってもまだ6割は残っているのが実感だ。これが良いのかもしれない。安心して暮らしていられるのだ。

 我が家では一日の電気消費量は3kWh程度で、「リーフ」のバッテリーは17kWh程度(中古なので推定値。別に予備として10kWhの蓄電池がある)蓄電できるので、こんなに楽々暮らせるのだ。省エネ製品ばかり使っているおかげもあるだろう。冷蔵庫も電子レンジも掃除機も洗濯機もエアコンも井戸ポンプもあるのだが、ほとんど省エネ製品だ。
 

 こうしてみると、太陽光パネルは、製品の定格最大出力を1日の消費電力量の2倍となるように付けておけば、低照度の日にも電気が足りると思う。そこでは低照度に強いパネルが望ましい。
 

 一方のバッテリーは、4日分を賄える(我が家で言えば3kWh×4日分=12kWh分)程度の蓄電ができれば足りると思う。我が家は今、オーバースペックになってしまっているのだ。でもその分はバッテリーの寿命を伸ばせるように、使う電気の深度を浅く使うことで寿命を伸ばそうとしている。つまりバッテリーの使用する範囲を上下差の小さい範囲で狭く使うのだ。しかも「電気自動車」なら振動があるが、自宅に置く場合には振動はないので、バッテリーにかかる負担は少ない。あとはバッテリーの置き場の温度が低くなく、高くならないことも大事になる。夏場に向けて、送風機をつけようかと思っている。
 

 実際に電気に困った日は昼間の日照が弱い日が続いた時期だった。例えば台風の日のような、昼間でも発電しない時だ。しかし電気が不足したのは年間2日あるかないかなので、今までは我慢(節電)していたが、できればバッテリーで補うのがいい。そのバッテリーの最低量は、1日の電気消費量×4日分が目安だ。ただしリチウムイオンバッテリーの特性を考えると、多めに設置して深度を浅く使う(全体の蓄電量の狭い範囲で使う)ほうが良いので、設置量は多めのほうがより良い。
 

 要はすべて「1日の電気消費量」によるので、発電パネルを設置する以前に家電を省エネ製品にしておくのがいい。節電努力(ソフト)はほとんど効果がない(続かない)ので、省エネ製品(ハード)を選んでほしい。その次に、いよいよオフグリッドだ。
 
 

 

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