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自然素材住宅のメリット・デメリット(後編)

 
前編では「自然素材住宅のメリット」についてご紹介しました。
後編は、「自然素材住宅のデメリット」について、「価格・数値的性能・お手入れ」の3つの視点で書きたいと思います。
 

自然素材住宅のデメリット①|価格


自然素材住宅は多くのメリットがあります。それなのになぜ選ばれていないのか?一つはその選択肢自体が知られていないということ。そしてもう一つの大きな理由は、価格があると思います。
 
一般的な建材は安いです。合板は安い。ビニールクロスは安い。ボンドも安い。施工も安くできる。経済的合理性、施工の効率を考えていくと、やはりそのような建材が選ばれます。予算には限界がありますし、それは仕方のないことです。
 
一方、それらの建材には、シックハウスを引き起こす可能性などもありますので、その点も考慮してから選んでもらいたいと思います。また、そのような住宅は短命です。30年後に建て替えやリフォームなどをすることを考えると、決して安くない買い物です。また、イニシャルコストをかければメンテナンスのコストは抑えられます。その点も加味して検討していただければと思います。
 
イニシャルコストはやはり自然素材のほうが高くなることが多いです。ただ、将来の修繕コスト、建て替えやリフォームの費用などを勘案していくと決して高い買い物ではないということがわかります。
 

自然素材住宅のデメリット②|数値的性能


とはいえ、家づくりの主流は、合板集成材、ビニールクロス、グラスウールの家です。その前提で制度がつくられているといっても過言ではありません。その中で自然素材建築を選ぶことは、数値的性能やその上で得られる優遇制度を取得する上では、ハードルが高くなることは間違いないです。
 
耐震性能も合板を使えば、等級3を簡単に取れます。ところが自然素材でそれをするとなると、手間とコストがかかります。そのため、それを取得するメリットと勘案して、どのようなものにするか決めていくことが必要です。
 
気密性も同じで、自然素材は前述のように空隙がありますし、個体差があります。そのおかげで色々なメリットがあるのですが、気密性を上げていく上でやはりその特徴をカバーしていく作業に手間がかかります。そして、個体差のためにそれを反復再現性をもって実現することの難易度も高くなります。気密性なども一般的な家に比べて高めにくいということも確実に言えます。
 

ただ、実質的な耐震性がないか?というとそうではありません。木材の特性を知り、それを活かすことでより強く、また、その強度をより長く持たせることができると考えています。数値だけでは測れないものはあります。実際、熊本での地震では等級3の建物も倒壊をしています。そこで重要なのはバランスや耐力壁の位置など基本的な部分ですが、数値では表せない部分でした。
 
気密性の高さは断熱性や省エネ性に寄与します。それなので、高めていく必要があると思います。ただ、そこで最終的に求められているのは心地よさや経済性です。そのための気密性であるということを念頭に置くと、どの程度まで気密が必要なのか?ということがわかってきます。その点も加味して、しっかりと考えて決めていけるとよいと思います。
 

自然素材住宅のデメリット③|お手入れが大変?


自然素材はお手入れに手間がかかるとよく耳にします。しかし、実際に建主様に聞くとむしろ手間はかかっていないようです。
 
そのように言われる原因は、木材は傷がつきやすいとか、汚れやすいとかそのような特性によるものなのかと思います。確かに杉は傷つきやすいです。しっくいにコーヒーをこぼしたら削って補修しなければいけません。
 
木材が傷つくことが嫌な方は確かにやめた方が良いです。おすすめはしません。
 
建主様は杉の傷やへこみは味としてとらえている方が多いと思います。築年数が経った家のフローリングは、よく見るとやはり傷はついています。それは杉の柔らかい性質(調湿性や快適性)と表裏一体です。ただ、それが目立つか?というとそうでもなく、むしろ馴染んでいるように思えます。時間が経って家と同じように変化している。それは、劣化というよりも、経年変化であるととらえることもできます。
 

むしろ合板やビニールシートのフローリングは新築時はピカピカですが、時間が経つにつれて、変色や劣化をしていくように思えます。外壁のサイディングや屋根のコロニアルは、10年から15年に一度は塗装が必要です。
 
また日々のお掃除も実はそんなにこまめにしなくても大丈夫です。建主様の多くは掃除機かけしかしていないといいます。自然素材は静電気が起きないので、壁にホコリがついて黒くなることはなく、ほこりは床に落ちるのでそれを掃除するのはむしろ楽です。調湿してくれるので結露もほとんどおきません。
 
もちろん、手間をかけてメンテナンスをすることもできます。
 
フローリングは、コツをつかんでお掃除をすれば、キレイに再生します。水回りにミツロウなどのワックスを塗ってあげると、きれいに保てます。米ぬかなどで雑巾がけをされている建主様もいらっしゃいます。必ずそうしないといけないか?というとそうでもありません。
 

 
ただ、そうなるとメンテナンスは手間ではなく、楽しみになってくるかもしれません。暮らし自体が楽しみになっていくような発見が自然素材にはあるように感じます。ぜひ、家に手をかけることを楽しんでいただきたいな、と思います。

 
 
以上、自然素材住宅のメリットとデメリットをご紹介しました。
自然素材住宅にはメリットもデメリットもありますし、住む方の向き、不向きもあると思います。最終的には「何を大切にして家づくりをするか」、自分なりの基準をもって、選ぶことがやはり大切なのだと思います。
 
気になることがあれば、お気軽にご相談ください。天然住宅ではお住まい見学会や家づくりセミナーも開催しています。実際に体感してみるのもおすすめです。

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