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【助産師に聞きました】助産院で産むと良いことって?

 
助産院での出産がどういうものなのか知りたくて、その魅力に触れたくて、2015年に中野区でしらさぎふれあい助産院を開業された、院長の木村恵子さんに話を伺っています。

前回は、「助産院と病院でのお産の違い」について教えていただきました。今回は「助産院で産むとどんな良いことがあるのだろう?」そんな素朴な疑問にお答えいただきます。

<< 以下、木村さんのお話 >>
 
実は助産院でなく病院でも、「また産みたい!」と思えるような気持ちの良いお産になることはあります。 

入院してから、その時についてくれる助産師さんと良い関係性が作れたら、良いお産になる可能性も上がるでしょう。もしくは周りは関係なくて、ご自分がお腹の赤ちゃんと向き合い集中していたら、ホルモンが大量に放出されて良いお産になることはもちろんあります。
 
それから、現在はコロナの関係でなかなかできない施設もありますが、夫が立ち会ってくれて、そばについて助産師さんの役割を担ってくれたり、痛い時にサッと手を出してさすってくれたら、きっと良いお産、幸せなお産になるのではないでしょうか。
 
いずれにしても、助産院などのようにママにそっと常に寄り添うお産をしていると良いお産になりやすいし、病院のように必要な時だけ様子を見に来るようなお産だと、なかなか緊張して良いお産にはなりにくいということが言えると思います。

しらさぎふれあい助産院では、お産はもちろん、産前の妊婦健診、産後ケアでも大事にしていることがあります。それはできるだけ「ママに触れる」ということです。
 
コロナ禍において、病院ではそれさえもままならないというので、なかなか距離を縮めるのは難しいと思いますが、病院でもそれを意識するだけでお産が違ってくると思います。
 
ただ、ママの中には触れられるのが苦手な方や、「触らないで!」とはっきりおっしゃる方もいるので、そのような時は手は触れずに気持ちは離れないように、気持ちに寄り添うことを心がけます。
 
そして、その方が集中し、周りに人がいるのが分からない、気にならないような状態になると、この時オキシトシンは最大に大量放出されていると思われます。
 
そんな状態を作れたら、お産はあっさりと、そして赤ちゃんはつるんと生まれてきます。そして、その感覚が気持ち良すぎて「また、産みたい!」となるはずです。

すぐにそう思わなくても、ホルモンが大量に出ていると良かったことだけが大きくなり、痛かったことなどマイナスなことがどんどん小さくなってそのうち忘れてしまうので「また、産みたい!」となるわけです。
 
計画無痛分娩を選択した時には、このホルモンの大量放出状態にはならないままお産が終了する可能性が大きいです。点滴の収縮剤は、子宮には作用しますが、脳関門を越えないので、脳には作用せず、私のように「また産みたい!」「またこのお産がしたい!」というようにはならないそうです。とてももったいないことだと思います。
 
子宮収縮には意味があります。赤ちゃんとママを守りながら、ちゃんと赤ちゃんをこの世に産み出すために必要な陣痛は、体を守るためにも必要なものだと考えています。
 
そして、お産が終わった後のなんとも言えない、「幸せ感溢れる体験=オキシトシンが溢れる体験」をひとりでも多くの妊婦さんに味わっていただきたいのです。そうすると、その後の育児もスムーズになります。また、その人の人生そのものにも良い影響を与えます。オキシトシンは、その人の自己肯定感を上げるホルモンだからです。

私は陣痛の波をジェットコースターに例えてよく説明します。
たとえばジェットコースターが急降下する時には、「わー!」と声が出たり、思わず力が入ったりしますよね。
その時は「もうやだー!止めてー!降りたい!」と思うものですが、それを繰り返しているうちになんだか慣れてきて、その怖さを快感に感じるようになり、「終わった時には、あー気持ち良かった!もう一回!」となると思うのです。
 
お産も同じで、痛みがなくて、同じところをぐるぐる回っているような感じでは、お産が終わった時の、なんとも言えない達成感や快感とも言える気持ち良さは体験できないのではないでしょうか。だから私は痛みは決して好きではないですが、お産後の気持ち良さのためにも、陣痛は必要だと思っています。
 
***
 
次回は「安産の秘訣」について教えていただきます。

(参考動画)
しらさぎふれあい助産院でお産したママ達のインタビュー動画はこちら
https://readyfor.jp/projects/shirasagifureai/announcements/201608

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